PiPi's World 投稿小説

世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 135
 137
の最後へ

世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 137


しかし放たれた針は盾に突き刺さってなおも盾を貫こうと回転を続ける。
ドリルの針『スパイラルニードル』の力だ。
この針は命中箇所確実に破壊するための必殺の針。
たとえスパイラルニードルそのものは防げてもその針は楔となって盾に残る。
これでは第2弾が来たら盾を破壊されてしまう。
そう思われたその時、啓太の腕から盾がポロリと剥げ落ちた。
啓太は数え切れないほどの視線の中で、自分の作り出した鎧や盾を自由に切り離す術を覚えたのだ。
そして次の瞬間、啓太は再び盾を生成して千羽に投げつける。

「ッ?!」

防御に使う盾を武器に使うとは思っていなかったのか、千羽はあわてて盾をかわす。
そして盾をかわした先には・・・。

「スキありだッ!もらったぁッ!!」

鉤爪のような手甲を構えた啓太の姿が!
素人の啓太にしては格段の進歩である。
だが所詮は素人。彼の快進撃もここまでだった。

「・・・甘いッ!」
「ッ!?」

千羽は啓太の手を取ると、合気道の要領で主人の身体を空中に投げる。
そして重力に従い、落ちてきた啓太に向かって必殺の蹴りを放つ!
空中の啓太は受け身を取ることもできず、千羽の蹴りをまともに受ける。その瞬間!

ドゴンッ!

「ごがッ・・・!?」

突然蹴った千羽の足が爆発し、啓太はものの見事に吹っ飛ばされる。
啓太を蹴っ飛ばすと同時に爆発の針『バースト・ニードル』を叩き込んだのである。

「・・・グッ・・・ガッ、カカッ!?」

無様に床を転がる啓太。だが彼は爆発の直撃を食らったというのに、それでもよろよろと立ち上がる。
投げられたとき、とっさに身体を石膏像のように硬くしてダメージを軽減したのである。
それでもダメージは大きく、勝負は決まったようなものなのだが。

「啓太様!何度言えばわかるのです!
 感情に任せることなく、常に敵に2手3手先を読みなさい!
 それと攻撃直後の隙が大きすぎです!
 勝利を確信するのは、相手が動かなくなったのを確認してからだと何度も言っているでしょう!?」
「ぐ、ああぁぁ・・・」

そこにすかさず飛んでくる千羽の叱責。
だが啓太は彼女の説教など聞いていない。
ただ視線で千羽を殺そうと、ものすごい形相でにらみつけるだけだ。
千羽も言うだけ無駄と悟ったか、ため息1つついて啓太に背を向けた。

「食事にしましょう。その間に少し頭を冷やしてください」
「・・・・・・っ、」
「「「「け、啓太様っ!?」」」」

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す