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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 136

クロックからの依頼を引き受けたリリスは啓太にこの事を伝えないのかと尋ねる。
しかし、啓太の行動パターンを把握しているクロックは伝えなくて良いと冷たく言う。
「それに人間なんて労働力か慰め物か人体実験で十分だ。」
クロックは人間の価値を冷たく言い放す。
「そうだな啓太には危ない目にはあって欲しくない。
じゃあ、私は部下にリサーチを命じて来る。」


リリスこと小森雅はクロックの発言にあっさりと同意する。
啓太はよく勘違いしているが、彼女も怪人。
その考え方は人間のそれとは違うのである。

(・・・とは言え、啓太に嫌われるのも嫌だしな。
 適当な連中にでも情報をそれとなくリークしておくか)

ただ違うのは、リリスが夢よりの考え方の持ち主だということだ。
リリスは頭の中でどうすれば啓太が喜ぶかを考えると、それを実行するべく情報部へと歩き出す。

(・・・っと、そうだ。
 この前頼んでおいた武器の具合のことも開発部に聞いておかないと。
 やれやれ、この戦争が終わるまでしばらく啓太のところに行けそうもないな)

リリスが愛しい男のことを思い、人知れず深いため息を1つついた。
特訓開始から9日目。
日に日に追い詰められていく啓太は、その精神を劇的に変えていた。
休憩中だろうと食事中だろうと、スキさえあればいつでも千羽を攻撃する。
しかも千羽の食事に自身に撃ち込まれた毒針ポイズンニードルを仕込んだりと卑劣な手段にも平気で手を出すようになった。
もはや彼の頭の中には『千羽を倒さないと殺される』くらいの強迫観念があるのかもしれない。
だがどんなにがんばっても。どんな手段を用いても。
千羽を倒すことはできない。
もちろんそこには圧倒的な戦闘経験もある。
しかしそれ以上に今の啓太は明らかに常軌を逸している。
それゆえに千羽は簡単に先手を打つことができるのだ。
とは言え、相手は獣同然でも死に物狂い。
それをさばくのは少々骨が折れるようになってきた。

「ぐわあぁぁああッ!」

啓太の死に物狂いの突進。
それに対し、千羽は無数の針を髪の毛から乱射。
啓太は迫り来る針に、皮膚を盾に作り変えて攻撃を防ぐ。

ガッ!ガガッ!ガキュルルルッ!

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