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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 135

おそらく鎮圧しに来た警察隊だろう。
よく見れば哀れな犠牲者の中に赤・青・黄のボディスーツに身を包んだ死体も転がっている。

「・・・何がつまらない?これだけ暴れておいてまだ足りないのか?」
「ん〜?だあってお目当ての連中が来てくれないからさー」

いつの間にか少女の背後に現れた黒衣の騎士の問いに、彼女は驚くどころか退屈そうにため息を漏らした。

「せっかくボクらを見つけやすいようにしてるのに、来るのはどーでもいー連中ばっかり!
 しかもみんなザコばっか!
 もー待ちくたびれちゃったよ!」

明らかにヒーローと思われる連中を殺しておいて雑魚呼ばわりとは・・・。
これだけで十分彼女の強さをうかがい知ることもできよう。
しかしそのためだけにこれほど暴れられては、周囲もたまったものではない。

「仕方なかろう。我々を相手にするには、それなりの準備が必要なのだから」
「むぅ〜っ!ドイツもコイツもそればっか!
 ボクもう飽きちゃったよ!」

わがまま全開の少女に騎士、プテラナイトはフルフェイスのヘルムからため息を漏らした。
彼ら恐竜怪人で構成された戦闘集団『ザウルスペクター』は一騎当千の猛者ぞろいなのだが、強すぎるあまり力をもてあましている。
そのためどうにも忍耐に欠ける連中が多いのだ。

「・・・仕方ない。では連中が来やすいように、我々も『準備』でもするとしよう」
「『準備』ィ?プテラぁ、いくらおまえでもあんまりふざけたこと言うと怒るよ?」
「まぁ聞け。おまえ好みの楽しい話だ」

それからプテラナイトは少女に『準備』の内容を話し始めた。
最初は不機嫌そうな少女であったが、話を聞いているうちに機嫌は直り、おもしろいおもちゃを見つけた子供のような笑顔を浮かべた。

「・・・どうだ?そんなに悪くない話だろう?」
「あははっ♪いい!それ、最っ高にいいよ、プテラ!
 よし!それじゃさっそく準備を始めよう!」

少女は笑いながらそう言うと、プテラナイトとともにその場を後にした。
彼女らがどんな会話をしたのかはわからない。
しかし少女のあの喜びようからして、ろくでもない話であることは確かであった。
一方アパレント・アトムではクロックはリリスからの恐竜軍団が何かを企んでいると聞いていた。
「ほう、あのケダモノ達、三方町を荒らすのか、奴等の正確なデータを知るには良い機会だ、リリスリサーチを頼むぞ。」
リリスから恐竜軍団の動向を聞いたクロックはリリスに連中の動向を探らせように頼む。
「解った部下に命じよう。だが、啓太にこの事を知らせなくて良いのか…?」
「当たり前だ、啓太様がこれを知ったら変な義憤に駆られて行くのは目に見えてるからな。」

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