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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 132

「もう啓太様、逃げても何も起きませんよ。
ニードルアロー!!!」
ヒュン、ヒュン、ヒュン。
千羽は身体から生ずる針を小さな矢の形状にし啓太に襲いかかる。
「うぎゃっ…ぎにゃあ…ひぃ!!ひいぃぃ!!
ビースト!!薙!!鈴!!たしけてえぇぇ!!!」
千羽の発射するニードルアローを喰らい啓太はただ、悶えてビースト達に助けを求める。


「・・・っ!」
「空ッ!ダメだ、我慢しろっ!」
「で、でも!」
「うかつに手を出してはお役目を解雇されますっ。
 どうか・・・どうか、どうかここは我慢のほどを・・・ッ!」

しかし啓太の救助を簡単にできないようにされている4人は、黙って主人の苦しむさまを見ているしかない。
下手に手を出せばポイントの差し引き、最悪お役御免もありえるだけに、彼女らはできるだけ啓太を守るために啓太を見殺しにするという矛盾に耐え続ける。
繰り返し言うが、千羽は啓太の根性をたたき直すべく限界ギリギリを見極めて攻撃している。
うかつに反撃したり下手な防御・回避を見せようものなら、即座にアンカー・スタン・ポイズンの3種の針が牙を剥く。
いくら鈴たちの力で全快できるとは言え、アンカーで傷口をえぐられたまま壁や床に叩き付けられたり、毒や電撃の苦痛を味わったりするのはゴメンであった。

「啓太様、助けを求めている場合ですか!?
 早く対処しないと串刺しになりますよッ!?」
「ハッ!?」

言われて気づけば、アンカーニードルの雨が今まさに天井から啓太に向かって降り注ごうとしている。

「う、うわひいいぃぃッ!?」

啓太はあわててその場を移動しながら背中と両腕を硬質化。
次の瞬間、啓太に鋭い針の嵐が降り注いだ。

ガキンッ!ガキンガキガキガキガキンッ!

頭を押さえ、前かがみの状態で針の嵐から逃げる啓太。
防御する面を減らし、すきまなく硬質化することで殺すスピードを少なくして移動している。
命の危険にさらされ続けた激しい特訓の末に啓太が学習した、数少ない成果の1つである。
だがこの程度で安心するのはまだ早い。

ドスッ・・・!

「・・・へ?」

針の嵐を抜けてホッと一息ついた啓太の腹に、一本の針が軽く刺さる。
そして間髪入れず全身を貫く激痛が啓太を襲った。
スタンニードルを撃ち込まれたのだ。

「〜〜〜〜ッ!?」
「啓太様ッ!何度言えばわかるのです!?
 防御の基本は回避!防御は最小限に抑え、相手と攻撃から目を話さない!
 でないと次の攻撃をよけられませんよッ!?」

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