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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 130

衝撃に悶える啓太の身体は再び宙を舞い、壁や床に何度も何度もたたきつけられる。
何回かたたきつけられたあたりで、千羽が怒りもあらわにようやく突然の暴挙に至った思いを吐露する。

「いいかげんにっ!してくださいっ!さっきっからっ!
 何度も何度もっ!代わり映えのしないっ!バカの1つ覚えのよーなっ!
 くだらない体当たりばっかり!」

ちなみにセリフの一区切りごとに啓太の身体は宙を舞っていることを補足しておく。

「だいたいっ!何なんですかっ!その必要以上にっ!重苦しい鎧はっ!?
 そんなんじゃっ!スピードは嫌でも落ちるしっ!
 視界も悪いに決まってるじゃないですかっ!?
 おまけに毒やっ!電気っ!関節技とかのっ!対処もっ!まるでしてないじゃないですかーっ!?」

感情を爆発させるたびに床や天井、壁にたたきつけられる啓太。
最初は生きのよかった主人公ももはやぐったりなすがままである。
気絶でもしたのだろうか?・・・いや、あの様子だとダメージがでかすぎて抵抗する力も尽きたのかも。

「私の立場もあるからっ!適当にあしらうつもりでしたけどっ!
 気が変わりましたっ!こーなったらっ!私がっ!
 徹底的にっ!啓太様を・・・っ!」

壁にたたきつけるのをやめた千羽は、とどめとばかりに啓太の身体を空中でぐるぐると回転させる。

「鍛え直してあげまーすっ!!」

それと同時に千羽が啓太の脳天を床にたたきつけようとしたその時!
突然、千羽のアンカー・ニードルが断ち切られ、ぐったりした啓太が宙に舞う。
そして黒い人影が飛び出し、啓太をキャッチ。
ビーストと薙の2人が、啓太を守るべく飛び出していたのだ。
しかし突然水を差された千羽は怒りが治まらない。

「何なさるんですか、ビースト様っ、薙様っ!?
 これから啓太様にはみっちりと戦闘のイロハとゆーものを・・・っ!」
「やりすぎだ、バカっ!?見ろっ!完全に白目剥いちまってるじゃねーかっ!?」
「へ・・・?あ、ああッ!?」
「ああ、主殿っ!?しっかりしてくだされーッ!?」

結局この日、啓太は自分が強くならねば命にかかわることを思い知りながら、呼び寄せた鈴と空の治療を受ける羽目になるのであった。合掌。

――――

さて。啓太が倒れたところで、今度は他の面々の様子を見てみよう。
まず武器内臓型の怪人、黒羽刀。
『デリシャス』襲撃事件で啓太を止められない上に気絶して何の役にも立てなかった彼女は、啓太とは別のトレーニングルームでひたすら修練に明け暮れていた。

ズバッ!ズバッ!ズババンッ!

切る、切る、切る。刀のまわりでわら人形が次々と真っ二つにされて宙を舞う。
しかも切られた人形はただ両断されたものばかりではない。

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