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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 125


「しかし命令を実行するにあたり、啓太様のお力をお借りする機会が多々増えると思われます。
 今まではそれを見越して初心者ペースで訓練をしてまいりましたが・・・。
 これから敵組織と戦うまでの1ヵ月、私とクロックとでみっちり啓太様をしごかせていただきますので、お覚悟の程、よろしくお願いします」
「・・・ッ!?」
「先に言っておきますが、事がここまで大きくなっては後戻りはできません。
 くれぐれも今日の発言を後悔なさいませんよう」

絶句する啓太をよそに淡々としゃべる夢。
夢からすれば命令を忠実に守るために努力すると言っているだけだが、啓太からすれば死刑宣告を聞いているようにしか聞こえない。

「ではさっそく今後の訓練について説明させていただきましょう」

そして啓太に反論する余地すら与えぬまま話は進む。
後に啓太は涙ながらに語る。
自分がいかに甘やかされた環境にいたか。
どれだけとんでもないわがままを言っていたのか、骨身にしみてよくわかった、と。

――――

「それでは訓練の第1段階として」
「教育部の指導教官『フレシェット・ヘッジホッグ』と戦い、実戦経験を積んでいただきます」
「「は、はい・・・」」

特別訓練の事前説明を済ませた啓太たちは、トレーニングルームにやってきていた。
トレーニングルームで啓太たちを出迎えてくれたのはハリネズミの怪人フレシェット・ヘッジホッグ。
人間名を高麗川 千羽と言う。
しかし啓太も千羽も顔色がよくない。
ギャラリーのビーストや薙も落ち着かない様子で啓太を見ている。

「これから啓太様には、10日間にフレシェット・ヘッジホッグとつきっきりで稽古をつけてもらいます。
 なお、10日後には訓練の総仕上げとして簡単な任務をこなしていただくことになりますので気を抜きませんよう」
「千羽を倒すだけの実力を身につけたと判断されない限りはトレーニングルームからの外出は認めません。
 もしこれを破った場合は『逃亡』とみなし、あらゆる手段を使ってこちらに戻っていただきます」

息を合わせたようなコンビネーションで淡々と語る2人の女。
事実上のプチ監禁に、啓太はやる前から絶望でぐったりとしている。
それに対し、フレシェットこと千羽は、おそるおそる夢たちに声をかける。

「あ、あの・・・夢様?ほ、本当によろしいんですか?
 その・・・啓太様を相手に実戦形式でやるだなんて・・・」
「千羽。これは啓太様が平穏に暮らすために啓太様自身がお決めになられたこと。
 それを否定することは啓太様を侮辱することと知りなさい」
「は、はいっ。もも申し訳ございませんっ!」

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