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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 124

「「「!!」」」

夢の一挙手一投足に、啓太・ビースト・薙の3人がびくりと反応する。
夢を怒らせると怖いのが周知の事実であるだけに、3人は異様なまでに怯えていた。
その恐怖はこの室内だけでなく、入り口を守っている警備部の怪人たちにまで伝播していた。

「私が倒れていた間に、『デリシャス』を襲った敵組織の壊滅、ならびにこの三方町の支配をお決めになられたそうですね?」
「はっ・・・はいっ」
「・・・それは啓太様が考えた上でお決めになられたことですね?
 今回啓太様がお決めになられたことは大なり小なり犠牲を出すことになります。
 早い話、あなたのせいで組織の怪人たちが死ぬのです。
 その覚悟はおありですか?」
「・・・ッ!?」

夢の言葉に啓太は言葉に詰まる。
それは普段啓太のことを第一に考えて行動する夢とは思えない、冷酷な発言だった。
そしてそれは間違いなく現実としてなるであろう事実でもある。
啓太としては町の支配なんて興味ないし、殺し合いなんかしたくもない。
だがこの町には人殺しや人を怪人に改造・洗脳することを屁とも思わないどうしようもない連中がいて、彼らは自分たちをも狙っているわけで。
何もせぬまま、黙ってやられるようなマネはしたくはなかった。
だから、言う。啓太は自分の意思を。
たとえそれが意に沿わないものであったとしても、自分の求めるもの、ほしいもののためにその言葉を口にした。

「あ、ああっ。あの一件でオレはわかったんだ。
 何をしようとしまいと、今のままじゃまたあの時と同じようなことが起こるって。
 だから決めたんだ。この町で二度とあんなことが起きないようにするんだって!」
「そのために死人を出しても、ですか?」
「そ、そんなもん出してたまるかっ!?
 どうしても出るって言うなら命令してやるっ。
 『オレの許可なく勝手に死ぬな』って!!」
「・・・ッ!?」
「け、啓太様・・・!?」

啓太の無茶苦茶な発言にビーストと薙が絶句する。
それはあまりにもふざけた答えだったからだ。
犠牲をいとわないと答えるならまだしも、あんな答え方をしたんじゃ夢が怒るんじゃ・・・!?
そんな恐ろしい展開を予測して2人は思わず夢の様子をうかがう。
すると・・・?

「・・・いいでしょう。それがあなたの望みなら」
「「「・・・へ?」」」

あまりにあっさりと認めたものだから、啓太たちは思わず間抜けな声を上げる。
しかし気を抜くにはまだ早い。ここからが本番だった。

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