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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。第2部 107

しかしそれは啓太を理想の支配者するべく、円滑に育てるためのもの。
それに啓太のまわりを女怪人だらけにしたのは、夢の意思もたぶんに混じっているはずだ。
彼女は自分自身を悪役に仕立てるとは、一体何を考えているのだろう?
「素直って俺は………ありのままで居るつもりだ。」
素直になれとクロックに言われても啓太にはどうすれば良いのか解らなかった。
「御安心下さい。己の欲を思うが侭に曝け出し力をヒーロー・怪人に誇示すれば良いのです。」
「欲望を吐き出す、力をこじする…でも、良いのか…そんな事をしたらとっ取り返しの付かないことが…」
クロックに欲望を忠実になれと言われる啓太だが、それでも踏ん切りが付けずにいた。
「啓太様には力があります。ただ、その使い方を知らないだけです。それを私と夢がお教えします御安心を。それに変わる事を恐れては何も出来ませんよ。」
「だ、だからって・・・」

クロックの問いかけに、啓太は懸命に反論を試みる。
しかしその言葉は驚くほど弱々しい。自分の心の中で大きなウエイトを占めつつある組織の怪人を失うこと、そして敵とは言え見ず知らずの相手を傷つけ殺すかもしれないことに戸惑っているようだ。
だがクロックはあわてることなく、どこまでも優しく語りかける。
悪魔とはどこまでも優しいからこそ、人を堕落させることができるのだと言わんばかりに。

「大丈夫です。私たちは啓太様の奴隷。道具。
 たとえどんな困難な命令であっても、私たちは全身全霊を持ってそれを遂行します。
 それに啓太様が罪悪感を覚える必要など何1つないのです。
 悪いのはこの私。啓太様に世界をささげるために啓太様をそそのかした、この私のせいなのです」
「クロックの・・・?」
「そうです。私が全ての元凶なのです。さぁ、啓太様。私を罰してください。
 オマエのせいだ。オマエのせいでこんなことになったんだと、恨みと憎しみをもって私を蔑み、奴隷のように扱いください。

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