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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 96


「おら、尻!もっとケツ振んねえか、このメスブタ!!
 オラオラ、もっとオレ様に奉仕しやがれっ!?」

・・・お願い、早く正気に返って主人公らしいところを見せて、啓太くん!
なんかさっきから涙があふれて止まらないから・・・!

――――――――――――

さて、啓太のバカが正気に返るまでの間、今度は社長たち敵陣営の様子を見てみよう。
ただ今、敵陣営では社長の命令を受けて全社員が会議室に集結しつつある。
今、夢たちが戦っているのは警備部の怪人や戦闘員だけだ。
また、開発部など一部の社員は再出発のための資金となる研究データや商品の回収のため、この場にはいない。

「・・・社長!ご命令どおり、一部を除いた全社員をこの会議室に集結させました!」
「・・・ご苦労」

中間管理職の社員が緊張した面持ちで社長に状況を伝える。
彼が緊張しているのは、別に社長を前にしているからだけではない。
数々の悪事を働いてきた彼でさえ、恐怖を禁じえない『何か』を社長から感じ取っているからだ。
事実、社長は夢たちに最後の悪あがきに打って出る。
しかし彼らがそれを知ったとき、どんな結末になるか知る由もなかった。
社長は危険なモノをその眼に宿したまま、用意されたマイク越しに語り始めた。

「諸君!我々は正体不明の敵の攻撃を受け、体勢を立て直すためにこの施設を破棄することとなった!」

ザワッ・・・!!

事実上の敗北宣言に社員は一斉にざわめく。
薄々わかっていたこととは言え、その事実の真偽を告げられては動揺せずにはいられまい。
しかし社長は彼らの動揺をものともせずに演説を続ける。

「しかし!腐っても我々は悪の組織である!
 このまま撤退するにはあまりに屈辱的である!
 そこで私は奴らにとっておきの土産を残していくことにした!
 そのためには諸君の協力が不可欠である!
 ぜひ君たちに力を貸してもらいたい!」

その言葉に再び会議室はざわめきだす。
戦力となる警備部や怪人・戦闘員を持ってしても勝てない相手に、人間である自分たちの力をよこせと言うのだ。
子供でもわかる話に騒がないほうがどうかしている。
さすがのムチャ話に、社員の1人が苦言を呈する。

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