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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 93

衣服の汚れを払うと、その場にぺたんと座り込んだまま動かなくなってしまった。
空間に重苦しい緊張と沈黙が流れる。
やがて緊張に耐えられなくなった空は、おそるおそる近づいて啓太の様子をうかがう。

「け、啓太さま?あ・・・あの、だ・・・大丈夫ですか?」
母の鈴は娘の行為にあわてて『刺激するな』『戻って来い』とサインを送るが、自分らのせいでボロ雑巾にしてしまった主を放っておくなど空にはできなかった。

「・・・・・・・・・」

啓太はおもむろに立ち上がるとふらふらとした足取りで空に近寄り、空の肩をつかんでそのまま押し倒す。
・・・ついに来るかっ?久々のブチ切れモード!?

「・・・・・・」
「あの・・・。啓太、さま・・・?」

しかしいつまで経っても怒鳴ったり暴力を振るおうとしたりする気配はない。
そりゃそうだ。
啓太からあふれ出ようとしている感情は、彼女らが今まで経験したことのない感情なのだから。
「う・・・うわぁぁぁあああっ!!」

号泣。啓太は絶叫と共に空の胸の中で泣きに泣いた。

「怖かった!怖かったよぉっ!?もうダメかと思ったよぉっ!」
「けっ、啓太さま、落ち着いて!?」

皆があっけに取られる中、空は啓太を落ち着かせようと試みるが、一向に泣き止む気配はない。
どうやらあまりの恐怖に一時的な幼児退行を起こしたらしい。
・・・まぁ、その気持ちはわからいでもない。
しかしそれがわからない怪人たちは、どうしていいのかわからない。

「とっ・・・とりあえずおまえらは退がれ!
 部屋を出たら友軍と合流して各自作戦を展開しろ!」

泣きじゃくる啓太の言葉から、泣いている原因はDNA登録を済ませた怪人だと察した夢は、あわてて彼らを部屋から出て行かせる。
ではここから女怪人たちのアイコンタクトによる会話をお楽しみください。

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