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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 92


「いーやーだー!!はーなーせー!?」
「申し訳ございません、啓太さま。
 指揮系統が2つ以上あると、いざと言うときにお守りできませんので・・・」
「んな理由で納得できっか!!放せ〜っ!!」
「それではみなの者!かかれーっ!!」
「い〜や〜っ!?お〜か〜さ〜れ〜るぅ〜っ!?」

ヤバい!ついに啓太の後ろの処女ははかなく散ってしまうのか?
啓太はあっという間に男の怪人たちの波に飲み込まれ、その中心からこの世のモノとは思えぬ悲鳴が響いた。

そしてそれから数十分後。
ボロ雑巾のようになって倒れ伏す啓太がいた。
ヤられちゃったのかと思いきや、その身なりは予想以上にきれいである。
しかし異様なのは服ではなく肉体そのもののほうである。
服はきれいなのに、全身いたるところに歯形がついているのだ。
大小さまざまな歯形からは血がにじみ、ところどころで滴っている。
・・・ヤられたというにはあまりに異様なこの姿。
一体何があったのだろうか?
啓太から少し離れたところでは鈴と空があまりに無残な啓太の姿に近づくこともできず。
さらにその後ろでは事を終えた男の怪人たちを怒鳴りつける夢の姿があった。

「ば、バカモノ!
 DNAを摂取するだけだというのに、貴様らなんであんなに派手に噛み付いた!?」

・・・は?噛み付く?

「ほ、ほんのちょっと血液なり髪の毛なりからDNAをいただけばいいのに!
 なんであんなボロ雑巾のようになるほど乱暴に扱ったんだ!?
 仮にも私たちの主となられる方だぞ!?」

・・・あ、そうか!
確かに怪人が主を認定するには対象となる人物からDNAをもらわねばならない。
でもそれは別に精液である必要はないのだ。
つまり血液や毛髪などの細胞からも摂取できるわけだ。
つまりあそこに転がっているボロ雑巾は怪人どもに噛み付かれ、髪の毛を引っこ抜かれた結果、ああなったわけである。
衣服が汚れただけになっているあたり、おそらく後ろの処女はまだ大丈夫だろう。
・・・しかし問題はそれを教えずに、あまつさえボロ雑巾にしてしまったことだ。
怪人たちはわざとでないと必死に夢に弁解しているようだが、おそらく・・・。

・・・ぴくっ、

『!!』

その瞬間、飼育エリアに重苦しい緊張が走った。
屍状態だった啓太が動いたのである。
DNA登録の済んでない女怪人連中ですら、その一挙手一投足を固唾を飲んで見守っていた。
起き上がった啓太は、何も言わずに自分の身体を見つめ・・・。

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