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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 10


「ご無理をなさらないでください。
 啓太さまが気絶される身体のどこが美しいというのです?」
「ぐッ・・・」

痛いところを突かれて返事に詰まる啓太。

「ですから、私が啓太さま好みの女をご用意させてください。
 この身体でお慰めできない以上、私はそうするしかないのです」

悲しげでさみしそうな表情で少女は啓太をそう説得した。
これでいいのか、啓太クン?
仮にも主人公なら、ここで漢の1つでも見せるべきではないのかな?

「・・・・・・!」
「あっ・・・!?」

こっちの声が聞こえたのか、それとも自分で考えたのか。
啓太は何か覚悟したような顔になると、無言で少女を引き寄せた。

「け、啓太さま!?」

思わぬうれしい行動に驚く怪人少女。
しかしこの時、啓太青年の心の中は大パニックに陥っていた。

(ど、どうしよう?!勢いに任せて抱きしめたけど!
 S〇Xなんてやったことねーし!
 どうやってリードすればいいんだ?!)

これだから勢い任せの童貞君は・・・。
怪人少女にもそれが伝わったのか、苦笑を浮かべると、おかしな行動を始めた。
右手の人差し指を啓太の首筋に向けたのだ。そして・・・。

ミキッ・・・。

啓太を気絶させたあの音が人差し指から鳴り始めた。
気づいてもよさそうなものだが、それどころではない啓太に気づく気配はない。
いったい彼女は何をしようとしているのだ?

(よいしょ・・・っと)

音が鳴り止むと同時に、指と爪の間から極細の1本の糸が飛び出した。
糸は啓太の首筋に当たり、それきり動く気配はない。
何だ?いったい何をしている?
その時、なかなか次の行動に移れなかった啓太が、ようやくフリーズ状態から再起動した。

(そうだ・・・。まずこういうときはキスから始めるんだったな)

優しくキス。初めて唇を奪われたときとは違う、相手をいたわるような、そんな優しいムードにあふれたキスだった。

(次は胸・・・おっぱいをもむ・・・)

何かに導かれるように少女の左胸に啓太の右手が添えられる。
ここまでくれば賢明な読者諸君ももうおわかりだろう。
この怪人少女は啓太の首筋に打ち込んだ糸を介して、『正しい童貞の卒業の仕方(笑)』を伝授したのである。
もちろん、糸を打ち込まれている啓太は痛みも感じていない。

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