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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 88

「・・・・・・チッ!逃げやがったか・・・!!」

破壊を終え、ようやく開発エリアに侵入した警備部部長は悔しそうに舌打ちする。
開発エリアに転がるのは瓦礫と化した機材ばかりで、反乱軍はおろか、やられたはずの社員たちの死体の1つすら転がっていない。
本来、ここからの脱出経路は吹き飛ばした入り口だけのはずなのだが、何せ相手は社内の機密情報を易々と盗み、挙句の果てに侵入してくるほどだ。
自分らの知らない脱出路を持っていてもおかしくない。

「・・・社員と戦闘員部隊を2つに分ける!
 半分は奴らの脱出路の探索!残りは怪人部隊と一緒にぃッ・・・!?」

来い、と言うことはできなかった。
背中に衝撃を感じたと同時に、意識を刈り取られてしまったから。
しかし事態はそこで留まらない。

ドサドサドサァッ!

部下が部長の異常に気を取られた瞬間、上空から重い何かが大量に降り注いできたのだ!
「なっ、何だぁっ!?」

主力部隊が落ちてきたものを確認する間もなく、再び上から黒い影が落ち・・・いや降ってきた。

「ぎゃあっ!?」
「ひいっ!?」

黒い影は社員をなぎ倒しながらあっという間に入り口を抜けて去っていく。
難を逃れた一部の部隊が去っていく影に銃弾を撃ちまくるが、結局何の成果も挙げることなく部隊の半分以上をやられてしまうこととなった。
選び抜かれた屈指の精鋭たちは、信じられない事態にただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。

****

さて、その頃肝心の主人公は何していたかというと。

クチュッ・・・チュプッ・・・チュポォッ・・・

「・・・遅い!夢のヤツ、またムチャしてるんじゃないだろうな!?」
「ンっ・・・♪仕方ないですよ、啓太さま。
 夢さまは今頃、敵の中枢を落とそうとしているはずですし」
「そうそう♪夢さまがお戻りになるまでまだ時間がかかりますから、その間、私たちの身体でたっぷり遊んでくださいね?」

夢が開けた敵組織への侵入口のある下水道で、鈴と空を相手にナニしている真っ最中であった。
夢が必死こいて戦ってんのに、何やってるんだこの男わ!

「なぁ、やっぱり中に入ったらダメ?」
「「ダメです!」」

啓太は不安と好奇心から、何度目かの質問をするものの、返ってくるのはいつもこの一言である。
啓太に忠誠を誓う鈴と空がここまで彼の意思をないがしろにしているのには理由がある。
夢から頼まれたのだ。
啓太との約束と安全を守るために、ここで足止めしておいてくれと。
そのために彼女らは身体を張って、快楽で啓太の心を落ち着かせているのである。

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