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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 87


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一方。敵組織の警備部は、主力部隊を率い、戦いの場である開発エリアに向かっていた。
主力部隊と言われるだけに、怪人や戦闘員などが完全武装して整列している姿はなかなか圧巻だ。

「いいかッ!?今回の任務は開発エリアで反乱を起こした敵と不良品どもの殲滅だッ!
 見敵必殺ッ!敵は発見しだい殺せッ!」

夢の演説のときと違って、こちらは警備部部長の言葉を不動、沈黙の姿勢で聞いている。
その生き物の気配を感じさせない冷たさに、同席していた警備部の人間たちはその恐ろしさにおののかずにはいられなかった。
警備部主力部隊。通称『ジェノサイダー(皆殺し兵団)』と呼ばれる彼らは人非道な行為を行う彼らの中でも特に恐れられている連中だ。
彼らは会社の利潤を妨げる一切のものを排除するよう、徹底的な教育が施されている。
彼らの前には敵も味方も関係ない。
ただ与えられた指令を命も顧みずに実行するだけだ。
そんな危ない連中をなぜこの時点で起用したのか?
その答えは簡単、社長が敵の危険さから舞台使用の命令を下したからである。
今まで反乱はあっても、外敵の侵入を許したことのないからこその判断なのであろうが。

「この反乱はハッキングにより起こされた可能性が高いため、データの転送は行わず、こちらで用意した資料を配布する!
 3分で全てを覚えろッ!
 その後直ちに作戦を開始するッ!以上だッ!」

部長の言葉に人間サイドから悲鳴が上がるものの、反論はない。
うかつに反論しようものなら、その時点で足手まといとして殺されかねないからだ。
資料を渡されてから3分後、警備部隊は速やかに開発エリアへと向かった。
忌々しい敵を屠り去るために。
軍隊さながらの行進でたどり着いた先は開発エリア入り口。
固く閉ざされたその入り口は、すでに内部が制圧されたことをひしひしと感じさせる。
警備部部長は無言のまま右手を上げると、完全武装の怪人たちはすばやく入り口の前に整列する。
そしてロケットランチャーやバズーカなどの重火器類の砲口を一斉に入り口に向ける。
準備の終了を確認した部長は、無言を保ったまま上げた右手を下げた。
その瞬間・・・!

ドゴォン・・・!ドドドドドドドドドド・・・!!!!

激しい爆音と振動が施設内を揺らした。
怪人たちの猛攻に開発エリアへの入り口はどんどんその形を変形させていく。
やがて衝撃に耐えられなくなった扉が吹き飛ぶが、攻撃の止む気配はまるでない。
主力部隊は怪人たちを先頭に、砲弾を打ち続けたまま侵入を始める。
それはまさに進軍を阻むもの全てを破壊する死の行進であった。
銃弾の音が加わった砲弾の音が止む頃、開発エリアは廃墟と化していた。
壁・床・機材、あらゆるものが破壊され、立てこもっていた夢たち反乱軍は皆殺しにされた・・・はずだった。

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