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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 78

「・・・・・・・・・」

覚悟はしていた。ここはとても危ない場所なんだって。
そしてそこには何があって、どんなことが起こっているのかなんてわかって来たつもりだった。
しかし実際に『戦場』に来たとき、啓太は自分の考えの甘さを骨身にしみて思い知った。

ガキィンッ!ドガッ!ザシュッ!

目の前で繰り広げられる命のやり取り。
全身ゴツい鎧で覆われた巨大な金属怪人と、夢が戦っている。
金属怪人は夢の攻撃をものともせずにバカでかい剣を振り回す。
夢はその攻撃を紙一重でよけながら怪人化した右手で顔面に渾身の一撃を放つ。

ガキィンッ!!

攻撃はものの見事に敵の顔面を捕らえたが・・・。
致命傷はおろか傷1つつけられない。
そこへ金属怪人が虫でも追い払うかのような動作で夢の身体をなぎ払う。

ドゴォッ・・・ッ!
「・・・・・・・・・ッ!?」

夢の身体が豪快に吹っ飛ぶ。
そしてそのまま後ろの建築物に激突し・・・。
ブツン・・・ッ、

次の瞬間、金属怪人の右手が切れた。
突然のことに、敵は痛みも忘れて豪快に血を噴き出す右手を見ていた。
それが敵の命取りとなった。
そのわずかなスキを突いて、自らの身体で空けた穴から夢が飛び出す。
そして再び怪人化した右手で手刀を繰り出す。
放たれた手刀は金属怪人の関節を的確に射貫き。
自力で立てなくなった怪人は、そのまま無様に倒れてしまう。
この間、経過した時間は、わずか5分にも満たない。
そしてそのまま血に濡れた右手で、唯一残された首を貫こうとしたのを見、啓太はようやく我に返った。
「夢っ、やめろぉーッ!?」
「!?」

啓太の必死の叫びに夢の右手が止まる。
夢が声のしたほうを振り向くと、そこには彼女の大事なご主人様が妙に青ざめた表情でこちらを見ていて―?

ドゴォッ!

次の瞬間、夢は後ろからすさまじい衝撃を受けて吹っ飛んでいた。
死に損ないの金属怪人が、最後の力で夢を吹き飛ばしたのだ。
死んでも敵を倒そうとするその根性は、さすがと言ったところか。
しかし金属怪人はこのとき忘れていた。
自分が相手をしている相手も怪人だということに。

ブツ・・・ッ!!

吹き飛ばされた夢が一瞬、空中で静止したかと思うと、金属怪人の首が切り飛ばされていた。
敵の攻撃に気づいた夢が、その首に自慢の糸をかけたのだ。
後は説明の必要はあるまい。
金属怪人は自分のバカ力を利用されて首を切り飛ばされたのだ。
夢が地面に落ちると同時に怪人の首から盛大な赤い噴水が上がった。

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