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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 75

「・・・どういうことだ?」
「作戦決行には、少々お時間が必要かと。
 ・・・まだ納得されていないのでしょう?」
「・・・・・・」

図星を指されたのか、啓太は何も言わなかった。
夢は啓太を尻目に、鈴と空を促す。
2人は啓太に何かを言いたそうだったが、何も言えずにその場から立ち去った。
そして夢も立ち去ろうとしたその時。
彼女は啓太に振り返ってこう言った。

「啓太さま。心中お察ししますが、ご理解くださいますよう。
 人間であるあなたさまには理解できないかもしれませんが、それが怪人というものなのです。
 ・・・では、また」

そして後には啓太1人が残された。
啓太は何ともやりきれない表情で、ただ静かにうつむいていた。
「夢さま。よろしかったのですか?」

啓太と別れて10分後。
鈴がおずおずと夢に尋ねた。

「・・・何がだ」
「夢さまの計画を啓太さまにお話したことです。
 ご主人様に嫌われるのを覚悟でお伝えしたように見えたので」
空も何も言わないが、気持ちは母と同じらしい。
心配そうな顔で覗き込んでいる。

「・・・仕方ないだろう。
 啓太さまには遅かれ早かれ、我々怪人と戦闘員の本質を理解してもらわねばならなかったのだ。
 だったらまだ引き返せるうちにお教えするのが、啓太さまの所有物たる心得であろう」
「・・・確かにそうですね。
 私たちと共に生きるか、一般人に戻って生きるか。
 今がそれを決められる最後のチャンスでしょうね」
「ちょっ、ちょっと待ってよお母さん!夢さま!
 それじゃお母さんたちは私たちが捨てられてもいいっていうの!?」

夢と鈴の会話から、最悪の想像した空があわてて話に入ってくる。
まだそこまで割り切ることのできない空には、主人のためにその身を引くことなど考えられないことなのだろう。

「ん?何だ、空は啓太さまが私たちをお見捨てになると思っているのか?」
「ち、違います!け、啓太さまはそんな方じゃないもん!」

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