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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 72

「いや・・・。啓太さまには申し訳ないが、一緒に戦っていただく」
「「ええっ!?」」

その言葉に、鈴と空は思わず声をハモらせてしまう。
そりゃ、無理もないことだ。
どんな作戦を立てているか知らないが、一般人の啓太を戦場に連れて行くなんてとても正気に思えない。

「安心しろ。この作戦は、啓太さまがいれば必ず成功する」
「し、しかしですね、夢さま・・・!」
「話は後だ。まずは当面の厄介ごとから逃げ出さねば、な・・・!」
それでも納得できない鈴たちは、説明をしてもらおうと抵抗を試みるが、夢は反論をするヒマすら与えずに3人を指から出した糸でグルグル巻きにする。
そしてそれをひょい、と持ち上げると、いきなり窓に向かって走り始めた!

「ちょっ・・・!?」
「ゆ、夢さま!?前!前っ!?」
「警察が来るといろいろ面倒だ。とりあえず公園にでも逃げるぞっ!」

そう言うなり夢たちの身体は空中へと飛び出し、そのままスパ○ダーマンよろしく、糸を使って事件の現場から猛スピードで逃げ去っていった。
目撃者もいるだろうが、おそらく証言を取ることは難しかろう。
移動スピードもさることながら、何者かが大人3人担いで空に消えたなんて誰も信じないだろうから。
****

その頃。
触手怪人オクトラゲソンの死を知った開発部の2人は信じられない光景に我が目を失っていた。
それもそうだ。
死んだ怪人は廃棄怪人とは言え、それなりの実力は持っていた。
それを身体の一部しか変化させられない怪人に返り討ちにされるとは、完全に予想外だ。

「なっ・・・何なんだ、アイツは・・・!?」

信じられないものを見たような様子の白鳥。
クールな開発部部長も彼ほどではないにしろ、その目は驚愕で見開かれている。
しかし彼が驚いているのは怪人を殺されたことではない。
あの女怪人がおまけにオクトラゲソンの名前や素性まで知っていたことが問題なのだ。
確かに自分たちは死の商人。
組織の名前や商品名が知られていても不思議はない。
しかし相手は廃棄怪人。
本来市場に出回るはずのない商品だ。
それを知っているとはいかなることなのか?
部長は嫌な予感がしてたまらなかった。
とにかく、今できる最善のことをしておかなくては。
部長はそう心に決めると部下の白鳥を呼ぶ。

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