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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 68

「も、申し訳ありません!わ、私も何とかしたいのですが、粘液で滑って・・・!」
「あーもー、肝心なときに役に立たねー!」

啓太はない脳みそを振り絞り、必死になって鈴たちを助ける方法を考えていた。
以前の自分だったら、この異常な事態にパニックに陥った挙句に逃げ出していただろう。
しかし怪人ズとの異常な出会いと蜜月の日々が、確実に彼の心に免疫をつけさせていったのである。
もっとも本人にそこまでの自覚はない。
あったら当の昔に彼女ら怪人を追っ払うなり、夜逃げするなりしているだろう。
ご都合主義万歳である。
しかし啓太の頭に天啓が降りてくる気配はない。
必死に考えている啓太をあざ笑うかのごとくオクトラゲソンの触手調教が進行していく。

「ンっ・・・!く、苦し・・・!」
「〜〜〜っ!?」

ぬめる触手がいやらしく夢たちの肌を這い回る。
触手は粘液で服を濡らし、時には引き千切りながら捕らえた獲物たちの身体を締め上げていく。
いくら媚薬効果のある粘液で正気を失いかけているとは言え、これでは逆効果なのでは・・・。
そう思われたそのときだった。

グパァ・・・ッ!

夢たちを縛る触手たちの先端が気味の悪い音を立てながら開いていく。
花のように開くもの、獣の口を思わせるように開くもの、その開き方は多種多様だ。
しかしよく見れば開く触手にはある共通点があるのがわかる。
花のように開くタイプはその中央から極細の触手や鋭い針のようなものなど何かしら飛び出しているのに対し、口のように開くタイプにはそれがない。
・・・まぁ、どちらにしろ、ろくでもないことに使われるのに違いはなかろうが。

「・・・・・・・・・」

お、花のように開いた触手たちが動き出した。
その時! 彼の頭に天啓が閃いた!

ヴォッカの瓶とライターを手にすると、ヴォッカを一口含むと、ライターを点火して口元に持ってきて、触手の1つに向けて霧吹きのように吹き付ける。

ブワウッ!
アルコールが炎上し、触手の1本を焼き払う!
「ギイィィィッ!?」

自分の手足のうちの一本を焼かれて、オクトラゲソンたまらず悶える。
触手が緩み、比較的正気を保っていた夢が脱出、続けて鈴と空が開放されて床に落ちる。

「夢!鈴!空!みんな無事・・・!?」
「「「啓太さまッ!?」」」

啓太がみんなの安否を確かめるより先に、怪人ズは啓太に向かって抱きついてきた。

「ぐぼあっ!?」

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