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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 65

ビシュッ!!ビシュルルルルッ!!

「ひっ!?」
「きゃあっ!?」

不快な声に気をとられた一瞬のスキをついて、ボロ布のスキマからおびただしい数の触手が飛び出した。
赤と白に彩られたぬめる触手のうちの何本かは、啓太たちに襲いかかり、あっという間に啓太たちは絡めとられてしまった・・・が。

・・・ポイッ、
「!! 啓太さまッ!?」
「ぐべっ!?」

唯一の男である啓太が気に入らなかったのか。
怪人は啓太だけをゴミクズのように床へと放り捨てた。
官能小説に出てくる怪人らしい配慮である。
床と熱烈なキスを交わした啓太は一瞬気を失いかけるも、夢たちの声で何とか気絶しないでいることができた。
しかしその痛みはいかんともしがたく。
痛みがある程度引くまでの間、声にならない悲鳴を上げながら回り転がるハメになっていた。

「〜〜〜〜・・・っ!?ひ、ひっひゃいらりら・・・べっ!?
(訳:い、一体何が・・・げっ!?)」

起き上がった啓太が見たのは、そこが自分の家とは思えぬほど変わってしまった不気味な光景だった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

そこは赤と白の2色の触手がクモの巣のように張り巡らされ、啓太たちを襲わなかった触手たちが壁や床、天井のいたるところに埋め込まれていた。
そして部屋の中央には相変わらずのボロ布姿の怪人が、まるで部屋の主にでもなったかのように鎮座していた。
この時、啓太は気づかなかったが、部屋中に埋め込まれた触手たちはマンションのいたるところに触手を張り巡らせ、住人たちを襲っていた。

「なっ、何だコリャーーーーーッ!?」
「ひ・・・ひぃっ、来るなッ!?」
「いやあ・・・気持ち悪いよぉ・・・!!」

そして啓太たちと同じように、女だけを選んで縛り上げ、男はゴミのようにポイ捨てしていた。
・・・いくら官能小説だからって、これはサービスのし過ぎではないんかい?
シュルシュルシュル・・・!!

とか何とか言っている間に触手はどんどん伸びて、啓太の住むマンションは紅白の触手に彩られた奇怪なオブジェと化した。
今頃、異変に気づいた近隣の住民や通行人が大騒ぎしていることだろう。

「ジュン、ビ、カン・・・リョウ」

痛みで悶え苦しむ主人公など軽く無視して、触手怪人はそうつぶやく。
すると赤と白の触手の吸盤から、透明な液がじわじわとにじみ出てきた。
どうやら次の行動を開始するらしい。

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