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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 64

ケダモノの化した啓太が、夢に飛びかかったその時だった。

ガシャアンッ!!ガンッ!

「「「きゃあああっ!?」」」

突如、背後の窓ガラスが割れ、そこから白と赤の2色の太くて長いモノが無数に飛び出してきたのだ!
・・・それにしても夢までが『きゃあ』って・・・。
一応、あーゆー声出せたんだなぁ。
単なる腹黒キャラかと思ってたよ、アタシャ。

「な、何事!?」
「!! ゆ、夢さま!アレ!」

空の指差す先には、公園で一騒ぎを起こしたあのボロ布の不審人物が立っていた。
ボロ布の下からはイカやタコを思わせる触手が何本も生えている。
ちなみに啓太の部屋は4階建てマンションの3階にある。
道具もなしにここに登ってきたということは、まともな人間ではないもの・・・能力からして、おそらく怪人ということなのだろう。
しかし戦闘員も連れず、単身一般人の啓太のマンションを襲ってくるとは、何の目的なのだろう?
・・・まさか!?
い、いやいや。そんなわけはないよな・・・。
し、失礼。あまりにもトンデモなことをしようとしてるのかと思ったのだ。
え?もったいぶらずに教えろ?
う〜ん・・・まぁ、いいか。
私はあの怪人が特攻をしかけてきたのかと思ったのだ。
それもただの特攻ではない。
組織にとって厄介な存在である糸田親子はもちろん、この周辺一帯でとにかく破壊と虐殺の限りを尽くす。
・・・で、正義の味方が来たら暴れた本人はさっさと死ぬ。
大量の死体と瓦礫の山で証拠は隠滅。
犯人は殺されるから目的もわからず、真相は闇の中。
そんなシナリオを考えていたのかと思ったのだ。
・・・が、ちょっと考えればそんなことするはずないよな。
警官に絡まれたときも、威嚇こそすれ、暴れたりしなかったんだから。
うん。気のせいだ、気のせい。
・・・とか言ってる間に、怪人(仮)があの不気味な声を発し始めた。

「ター・・・ゲット、カク、ニン。
 ニンム・・・カイ、シ」
『・・・〜っ!?』

その声を聞いて啓太たちは思わず身震いした。
あまりに気持ち悪い、嫌悪感をかきたてる声だったから。
声が低いとか、しゃがれた声だとかそんな生易しいレベルじゃない。
無条件で生理的嫌悪をもたらすような・・・。
耳元で発泡スチロールのこすれる音やガラスを引っかいた音を何倍にもレベルアップさせたような声だった。

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