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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 7

それは、起こった。

ミシッ・・・メキメキ・・・

全裸の電波少女に幾何学的な紋様が走ったかと思うと、身体のいたるところが不気味な音を立て始めた。
音が大きくなるにつれて右腕に亀裂が走り・・・。

ミジッ!

裂けた。裂けた腕の肉はパキパキ音を立てながら変形していき、電波少女を人間以外の『何か』に作り変えていく。
音が止む頃には少女の姿は一変していた。
右腕は絹のように白く滑らかな肌から、赤黒い鎧のようなもので覆われた無骨なものに変わっていた。
背中からは人間にはない6本の針のようなものがピコピコと動いている。
その姿は明らかに人間ではない、別のイキモノの姿だった。

「・・・・・・・・・」

おやおや。啓太くんはこの異常な光景に絶句しているようだ。
まぁ、無理もあるまい。
外見麗しい乙女が、目の前で肉を裂かせながら化け物に変わっていくその様を、直に見てしまっ・・・ん?

「・・・啓太、さま?」

何やら啓太の様子がおかしい。
さっきからピクリとも動かない。
電波少女はまだ人間の形をした左手を、啓太の目の前でひらひらと振った。


パタリ・・・

「き・・・!」
『気絶してるっ!?』

お、思わず電波少女とセリフがかぶってしまった!
い、イカン!
何の免疫もない童貞野郎に刺激を与えすぎたか!?
これから官能小説らしい展開を考えていたのにっ!

「け、啓太さまっ!?し、しっかりしてくださいっ!?」

電波少女はあわてて啓太を介抱する。
いや、こっちもこれからの展開を大急ぎで修正しないとっ!?

「・・・う・・・ん」

それから1時間後。啓太はようやく目を覚ました。

「啓太さま?お気づきになられましたか?」
「っ!?」

電波少女の声に飛び起きる啓太。
しかし彼女はふとんから遠く離れた部屋の隅でちょこんと正座していた。
むろん右腕も人間のそれに戻っているし、背中のモノも引っ込んでいる。
全身に浮かんでいた模様も消え去っている。

「先ほどは驚かせて、誠に、誠に申し訳ございませんでした」

そう言いながら彼女は誠心誠意を込めて頭を床にこすり付ける。
うむ。作者もちょっとやりすぎた。許せ。
「・・・アレ(作者)は許さんとして。何でそんな部屋の隅っこに?」

・・・何か納得できんが、啓太は彼女の謝罪よりも離れて話す理由が気になったようだ。
その疑問に電波少女は顔を暗くしてこう言った。

「いえ。啓太さまは先ほど私の正体をお知りになって
 気絶されましたので。
 離れることはできないまでも、せめて驚かさないように、と」
「あっ・・・!」

そこまで言われて啓太はようやく思い出した。
目の前の少女がまがまがしい姿に変わる光景を。

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