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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 6


「言葉通りの意味ですが・・・。
 何かわかりにくいところでもありましたか?」
「そうじゃなくって!
 確かにぼくは傷だらけの君を介抱したけど!
 何でそれだけでぼくの下で働くってことになるの!?
 話がおかしいでしょ!?」

確かにおかしい。
普通、いきなり見ず知らずの男の部屋で目覚めたら、邪推の1つでもして大騒ぎでもしそうなものだ。
まあ、実際は彼女のほうから襲われたわけだが(笑)。
その疑問をぶつけると、名も知れぬ彼女は微笑みながらこう答えた。

「先ほどのキスで、今、私の頭脳には啓太さまの
 DNAデータがマスター登録されています。
 ですから啓太さまは私の主となられるのです」

うわ、電波系だよ、この人・・・。啓太は思わず腰を引いた。
しかしここで引くわけにはいかない。
ここで引いてしまえばその電波少女をウチに置くハメになりかねない。
「だったら!前に仕えていたご主人様のことはどうしたの!?
 向こうも君のこと探してるんじゃないの!?」

必死の抵抗にも名も知れぬ少女、改め電波少女は平然と答える。

「そうかもしれませんが、今の私には関係ありません。
 そもそも前の主のDNAデータはすでに失われていましたから」

電波少女は言葉を続ける。
それは彼女の正体を決定付ける第一歩。
「それに前の主がいたとしても、私を探すなんてありえません。
 私には人間の戸籍なんてありませんから、
 公的機関なんて使えませんし。
 私を探す労力があるのなら、新しい怪人を
 作るんじゃないでしょうか?」
「・・・『戸籍がない』?『新しい怪人』?『作る』?」

電波系とは言え、あまりぶっ飛んだ・・・もとい、聞き慣れない言葉に、啓太は思わずオウム返しに答えた。
その様子に電波少女は首をかしげていたが・・・。

「ああ、啓太さまは私のことをご存じないのですね?
 申し訳ございませんでした。
 わずかな記憶しかございませんが、ご説明させていただきます」

彼女は全裸のまま、スックと立ち上がると右手をかざした。
そして・・・。

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