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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 59

「・・・試着用に持ってきた服を持ってきて。それ全部買う」
「え?でも、どれがいいか・・・」
「全部買って帰りますから!すぐに家を出るときの格好に戻る!」
「「は、はいっ!?」」

啓太のだたならぬ様子に、身の危険を感じたのだろう。
怪人トリオは試着室に持ってきた服全てを買って帰宅することと相成った。
だがまだファッションショーは終わってはいない。
なぜなら彼は気恥ずかしさのあまり、自分がどんな服を買ったか確認せず、万札数枚を突きつけて帰ってしまったのだから。
ここからはアダルティーなファッションショーというわけだ、クックックックック・・・。
天の声の恐ろしさ、とくと噛み締めるがいい!
「はあっ、はあっ・・・!」

買い物を済ませた啓太は某デパートから脱兎のごとく逃げ出し、早々に帰宅した。
途中、あのセクシーショットを見たナンパ野郎どもに捕まって振り切るのにえらい苦労をしたが。
ちなみにこの場合の苦労は、ナンパ野郎どもに怪人トリオが変なことを言い出したり、血まみれにしたりしないようにした項のことを指す。

「ま・・・まったく、人様の目の前でなんっつー格好しやがんだか・・・。
 私服を買いに行ったんだから着れない服を無理してきることないの!」
「も、もうしわけありませ〜ん!」
恥ずかしがる啓太に空が誠心誠意を持って謝る。
しかし夢と鈴は別の意味で謝ってきた。

「す、すみません、啓太さま・・・。
 やはり似合っていませんでしたか?」
「夢さまから和服美人なる言葉があると聞き、啓太さまに喜んでもらおうと思ったのですが・・・」
「あ〜・・・いや、その・・・な?」

恥をかかせたと反省する夢と鈴を前に、主人の啓太は返答に困る。
たしかに一般市民の目の前ではずかしい格好をご披露してしまったわけなのだが・・・。
それが似合ってなかったかというと、実はそうでもなかった。
着崩した浴衣からのぞくおみ足やはだけた肩からのぞく胸の谷間は何とも色っぽく、しっかりと網膜に焼き付けられている。
おそらくあの光景だけで、しばらくはオカズに困らないだろう。
もっとも、それはこれから毎夜味わうこともできるのだが。
とりあえず、あんな色っぽい姿を毎日楽しめることを考えれば『着るな』とは言いづらい。
啓太は懐柔策を用いてごまかすことにした。

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