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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 54

『治療の必要な怪人なんて、ただの不良品』

それが組織お決まりの答えだった。
毎日姿を消していく仲間と次々と補充されてくる仲間を見ていくのは本当につらかったそうだ。
そして地獄の日々を乗り越えた一握りの怪人たちは、新たな地獄の日々に送る。
今度は娼婦としての性能限界を調べるのだ。
人間・動物・怪人。さまざまなジャンルのオスが自分たちの身体を蹂躙していく。
発狂しても、生ける屍と化しても。
死んでもなお地獄は止まらない。
そうして生き残ったものだけが商品を生む苗床として生きる権利が与えられるのだ。
鈴はそんな地獄を生き残った奇跡の生還者であり、空は地獄の中で産み落とされた子供であった。

この話を聞いたとき、啓太は泣いた。
3人の怪人たちを抱きしめ、泣きに泣いた。
夢と出会ったばかりの頃ならばこんな話、都市伝説か怪談として信じなかっただろう。
しかし鈴の再生能力と、組織の資料を見てしまった以上、うそだと思うことはできなくなっていた。
だからこそ啓太は誓った。
鈴たちのいた組織はかならず潰すと。
今も苦しめられている怪人たちを救って見せると。
そして・・・彼女たち3人を笑って暮らせるようにしてみせると。

・・・で。一庶民である啓太がその一歩として始めたのが、今の状況なのであるが・・・。
彼女たちの生い立ちを知ってしまった啓太は、3人の怪人たちを悲しませることができずに、婦人服売り場で恥ずかしい思いをしているというわけなのである。
まあ、下着売り場での苦しみに比べたらまだマシなほうなんだけどね(笑)
何しろ3人が3人とも、啓太の好みに合わせようと、いろんなタイプの下着を試着してのを見せてくるんだから始末が悪い。
とは言え、3人の色っぽい下着姿を見れて少なからず『らっきぃ♪』なんて思っていたし、今晩のオカズとして確実に脳内のメモリーに焼きつかせているんだから、大したものだ。
ちなみに3人のバストサイズを聞いたところ、夢はGカップ、鈴はIカップ、空はEカップと予想以上の答えが返ってきている。
で。下着売り場でさんざん恥ずかしい思いをした啓太は今。
婦人服売り場で、今度は3人のファッションショーの観客をやらせてもらっているわけだ。
ちなみにコーディネイトは、店員ではなく啓太によるものである。
何だかんだ言って、結構好みに厳しい性格らしい(笑)

「啓太・・・さ〜ん!?どこ行くんですかぁ〜?」
「私たちの服、しっかり選んでくださ〜い!」
「・・・クッ、わ・・・わかった、すぐに行く!」

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