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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 53


「啓太さ・・・ん、この服いかがですか?」
「あ、ああ・・・。いいんじゃないか?」
「ん〜、そおですか?
 母さんにはこっちのほうが似合うと思いますよ?」
「啓太殿!そっちばかり見てないで私のほうもお願いします!」
「・・・ハ〜イ・・・」

今、啓太たちがいるのは某デパートの婦人服売り場。
そこで夢・鈴・空3人の下着と服を購入する予定・・・なのだが。
彼はここで、人生最大の恥ずかしい思いを体験していた。
およそ一般人とはかけ離れた生活をしてきた彼女たちは、その勝手がわからないゆえに、啓太にそばにいてほしいと懇願されたのだ。
本来なら『んなこと、できるかーっ!?』とブチきれるところであるが、そうもいかない事情もあり、こうして女性客や店員の視線に耐えながら婦人服売り場にいるわけである。
ん?そんなことより聞きたいことがある?
・・・ああ!夢たちが服を買ってやるって聞いた途端に泣き出したアレのことね?
OKOK、んじゃ啓太が恥ずかしい思いしている間に説明してあげましょか!

「待てコラ、作者!なんでオレが恥ずかしい重いし照るってわかっててそーゆーことをする!?」

えーっ、だってそのほうがおもしろいしー。

「てめっ!この作者!待てっ!?逃げんなーッ!!」

さて啓太に追いつかれる前に説明説明っと。
まず夢の記憶のことだが、なぜか涙があふれてきただけで、結局記憶は戻っていないらしい。
しかし糸田親子の話からすると、よほどつらい生活を強いられてきたことは推測できた。
何しろ、彼女たちの生活は常に生きるか死ぬかの瀬戸際にあったのだから。
糸田親子はご存知の通り、『スイーツ・ホルスタイン』という新種の怪人で、不老長寿の妙薬となる血肉を持つ娼婦として数多くの仲間が作られた。
しかしそれは単に利益を増やすためだけではなかった。
売り文句に恥じぬ商品を作るためのテストサンプルでもあったのだ。
性能限界を知るために、乱暴されたり毒を飲まされたりするのはまだ序の口。
生きたまま解剖されたり、戦闘用の怪人の実験台にされたりするのがごく日常的に行われていた。
幸い鈴は何とか五体無事に生き残れたが、それも自分が怪人としての再生能力が人一倍高かったから。
性能がほんの少し悪かっただけで死ぬ、なんてことはしょっちゅうだった。
もちろん組織は治療なんてしてくれない。
それどころか治療する道具すら与えなかった。

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