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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 52

男が水に溶かされているように見えるのは、男が泉そのものに変化しているため。
激しい快感に打ちのめされているのは、泉の一部となった細胞と交わっているからである。

「あ、あががっ!?あばあああぁっ!?」

あまりの快感に話すことすらままならない男の下半身はすでに泉と一体化し、両手が消えるのも時間の問題だろう。

(いいッ!消えるッ!身体がッ!溶けるッ!ひとつになるッ!?)

1個の人間であった男の思考に、もはや泉と一体化することへの嫌悪はない。
あるのは一体化することへの歓喜と快感だけ―。

「あばっ!?ゴボボボッ!?うひぃああぁ〜〜〜っ!?」

・・・それがかつて人間だったモノの発した最後の声だった。
男の人間だった部分は泉に沈み・・・。ぞのまま二度と浮かんでこなかった。
男が泉の一部になったその頃。
上役たちは男への関心など微塵も見せずに、さっそく次の議題に取りかかっていた。

「それでは次の議題へ移りましょう」
「それならばもう決まっている。逃げ出した不良品どもの回収だ」
「あれを放置していると、私たちの身が危うい」
「だがどうやって回収する?うかつに手を出しては正義の味方どもに感づかれるぞ?」

その言葉に、上役たちは一斉に押し黙る。
彼ら悪の組織にとって天敵とも言うべき正義の味方。
つい先日商売敵の組織が怪人の材料集め(早い話が人間狩り)に行ったこときっかけに壊滅させられたばかりであった。
その二の舞を踏むことだけは絶対に避けなければならなかった。

「・・・ここはやはり少数精鋭の回収班を作るべきでは?」
「だが誰を出す?あまり派手な動きは奴らを引き寄せる。
 単純に強ければいいというものでもないぞ?」
「何、その辺は我が開発部の腕の見せ所。
 ここは我々にお任せいただけませんか・・・?」

上役の1人はそう言いながら、逃げ出した商品の回収案を説明していたその頃・・・。
肝心の主人公たちはのんきに買い物としゃれ込んでいた。

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