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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 44

その言葉に夢がブルブル震えだす。
このとき3人は『二度とご主人様を怒らせるまい』と固く心に誓っていた。

カチャカチャ・・・ズズ・・・

重い、沈黙。3人はこの雰囲気を何とかしようと、互いにアイコンタクトを送っていたが、今の啓太に手を出すのは恐ろしく、手をこまねいている有様だった。

(NA−P6931!何とかしろ!)
(む、無茶言わないでください!
 夢さまが原因なんですから、そっちが何とかしてください!)
(こ、これ以上火に油を注ぐようなマネができるかっ!
 NA−V5413!何とかできんか?!)
(こ、こっちにふらないでください!)

とまあ、何とも見事な責任逃れが一瞬の間でやり取りされていた。
断っておくがテレパシーとかそういった怪人の能力は使われていませんのであしからず。

「ごちそうさま」

何だかんだ言ってる間に啓太の食事が終わったようだ。
食器を持って流し台に向かう。

「3人とも」
「「「!! はいっ!?」」」
「3人とも、ヒマだよな?」

それは何とも返答に困る質問だった。
うかつに答えればどうなることか。
もし間違えれば、また啓太の怒りを買うのでは・・・?
その思いが3人に答えるのをためらわせた。

「・・・予定あるのか?」
「! いっ、いいえ!」
「よっ、予定なんて、そんなっ!」
「だっ、大丈夫です!」

・・・それでいいのか、怪人たちよ。
何だか涙が出てきたよ、アタシャ。
啓太は何も感じないのか、話を進める。
・・・つーか、少しは感じてくれ。
凶悪犯罪者の代名詞の怪人があんなだなんて情けなさ過ぎる。
たとえ犯罪用に造られてないとわかっていても。

「そっか。じゃ、ちょっと出かけてくるから留守番していてくれ」
「「「は、はいっ!!」」」
「お昼までには帰るから。
 ・・・くれぐれもへんなマネするんじゃねーぞ?」
「・・・・・・!!(コクコク)」

突然湧き出た怒りのオーラに怪人3人は首を縦に振るしかない。
何だかんだ言って、結構ご主人様らしく振る舞っている啓太であった。
で、怪人らしくない3人はというと。
啓太が出かけたのを見計らって、緊急会議を開いていた。

「ど・・・どうしましょう、夢さま!
 ご主人様、すごく怒ってらっしゃいましたよ!?」
「お・・・落ち着け、NA−P6931!騒いだって何も解決しないぞ!?」
「そうだよ、お母さん。ここは1つ冷静になって考えようよ」

意外にも子供のNA−V5413が、この会議の議長になって話を進める。

「まず何に怒っていたかだけど・・・」
「それはわかる。朝のトリプルフ○ラだ」

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