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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 38

「・・・お母さん?お母さんの気持ちはわかるけど、あんまりしつこいと迷惑なだけだよ?」
「う・・・それは・・・失礼よね・・・」

自分たちの恩人に迷惑をかける。
娘の言葉に、さすがの母も言葉を詰まらせた。

「え・・・と、けいた、さん。お母さんがご迷惑をおかけしてすみませんでした。
 私もお母さんも、こんなに優しくされたこと、なかったんで・・・」
「い・・・いえ、そんなことは・・・」
どうやら母親より娘のほうが社会に慣れているようだ。
夢が新商品とか言っていたから、組織から礼儀の作法を叩き込まれたのかもしれない。
・・・それにしてもえらい感謝のされようである。
これが啓太自身のためだと知ったらどうなるんだろう?

「・・・啓太さま?啓太さまのお気持ちも考えず、ご無礼をいたしました。
 お許しください」
「いいですってば」
「それで・・・お詫びといっては何なんですが、最後に受け取っていただきたいものがあるんです」
「・・・はぁ」
その言葉に啓太は複雑な心境を表すかのようにあいまいな返事をする。
まあ、あれだけお礼を言われたら、もうおなかいっぱいにもなるわな・・・って!?

しゅるっ・・・

「なっ!?」
「お、お母さん!?」

NA−P6931はおもむろに立ち上がるといきなり来ていたボロ服を脱ぎ始めたのだ。
止める間もなく全裸になると、啓太のそばに座り、再び頭を下げた。

「組織で使い込まれた中古品ではございますが・・・。
 どうかこのカラダを思う存分ご賞味くださいませ」
「え?ええっ!?」

いきなりの展開に、啓太は驚きの声をあげた。
娘のNA−V5413は驚くでもなく、静かに尋ねる。

「・・・お母さん。やっぱりこのヒトに全てを捧げるの?」
「捧げっ・・・?!」
「ええ。この方は私たちが迷惑だと言ってなお、私たちを助けるとおっしゃられた。
 私たちが全てを捧げても足りないくらいのお言葉だわ」
「・・・うん。私もそう思う」
「なら、わかっているわね?私たちが今、何をすべきなのか」
「・・・ん。わかった」
NA−V5413はうなづくと、母親のNA−P6931同様に服を脱いで、啓太に頭を下げる。

「啓太さま。あなた様は私たち親子だけでなく、組織にいる仲間たちもお救い下さると言ってくださいました」

いや、それ夢のせいだし、しかも成り行きで言っただけだし!
私と啓太が心の中でツッコむ中、母の言葉を娘のNA−P6931が言葉を続ける。

「本来ならお救いくださる仲間とともにお願いしたいところですが、何卒、ご容赦を」
「い・・・いえ、お気になさらず・・・」

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