世界の中心で平和を叫ぶ。 34
あきらめて自警団作ったら?
(オイ!)
でも断れる雰囲気じゃないぞ?
安全なところに逃げようったって現状、安全なところなんてなさそうだし。
「うっ・・・」
それにホラ、見てみろよ。あの親子の胸!
顔も悪くないし、母親はKかLカップ、子供でもBかCは固いぜ?
あんな美人親子を見殺しにするってのか?
「ううっ・・・」
「啓太さま!どうか自警団を結成すること、お許しください!」
ホラ、夢もああ言ってるし。
それにうまくいけばあの親子だけでなく、組織に囚われている連中の仲間もオマエのモンにできるかもしんねえぞ!?
「〜〜〜〜〜〜っ!!」
さあ!どうするんだ、乱宮啓太!?
「・・・・・・・・・わ、わかった・・・」
長い沈黙の後、啓太は不本意ながら自警団結成を認めた。
発足当時の人数はわずか4人。
自警団というにはあまりに貧弱な組織であった。
だがそのたった4人の組織があれほど強かったとは、いったい誰が予想しえただろうか。
「啓太さま。自警団結成をお認めくださってありがとうございます」
自分の計画通りにことを進めていきながら、夢はうやうやしく頭を下げて礼を述べる。
ここまでいくと、さすがの啓太も怒りを通り越して呆れてしまう。
啓太はあきらめ半分、呆れ半分といったご様子で話を進める。
「・・・で?これから俺たちは何をすればいーの?」
「この2人の話によれば、かの組織は新作怪人を大量生産するとのこと。
今の状況からこの町が狙われる可能性があります。
ですので、自警団結成の旗揚げに、かの組織を叩き潰すべきかと」
「なっ・・・!?」
いいかげん驚くことに免疫ができてきたはずの啓太が、大声を上げて驚いた。
そりゃあ、そうだ。
たった4人、それもうち3人は役立たずで残りの1人は半人前の実力という状況で、悪の組織にケンカを売るとくれば誰だって驚くだろう。
さすがの私もちょっと驚いた。
一方、夢に助けられた親子の反応は微妙だ。
また自分らを苦しめた組織と関わることへの不安や、いまだ苦しむ仲間たちを助けたいといった重いがいろいろ絡み合っているのだろう。
「幸いにも、相手は中規模くらいの人身売買組織。
私たちの相手としては手ごろなところでしょう」
中規模で手ごろなのかよ!
「ちょっ・・・夢!何、ムチャなこと言ってんだ!
俺ら4人でどーやって悪の組織を潰せるって言うんだ!?
常識考えろ、常識を!」