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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 218


「いいだろう。ではジャスティス・エクスキューショナーは平に格下げの上に鬼瓦監視の下、無期限の出撃禁止処分する。
 これでいいな?」
「はい。お心遣い感謝いたします」

鬼瓦の言葉にジャスティスも同意する。
エルカイザーの後継者のことと言い、何やら正義の味方のほうでも怪しい動きが見えてきた。
しかし啓太たちがそれに気づくのはもう少し後になってからのことであった――。

――――

さて。正義の味方と言えば、読者諸君は覚えているだろうか?
ビースト・クロック・シャーマンの3人に戦いを挑み、あえなく破れた正義の味方、エレメンタル・ガーディアンの3人を。
今、彼女らは啓太の基地、その開発部の一室で特別な治療を受けている真っ最中であった。

コポッ・・・。コポコポ・・・ッ。

「調子はどうだ?バニー」
「はっ!?はうはうっ、くくく、クロックさんっ!?」

突然の来客に、慌てふためくウサ耳垂らした黒衣の魔女っ娘。
彼女の名前はマジカル・バニー。
この開発部の部長を務める怪人である。
クロックと同等の立場にあると言うのに、彼女はあわてて機材の物陰に隠れてクロックを覗き込む。

「・・・まだ私に慣れんのか?」
「あわ、あわわっ。む、無理言わないでくださいぃっ。
 わ、私みたいなダメ怪人が、クロックさんみたいなすごい人と・・・。
 ま、真正面から向き合えるわけないじゃないですかぁっ!」

ブルブル震えながら必死に抗議するバニー。
相変わらずのその様子に、クロックは思わずこめかみを押さえる。
この怪人、部長に選ばれるほどの実力と外見を持ち合わせているのに、なぜか超がつくほどのネガティブ思考の持ち主なのだ。
そのせいで真正面から人と向き合うことができず、人目を避けるようにこの部屋に入り浸っている。
怪人のクセにひきこもりって・・・。
相変わらずの引きこもりっぷりに文句の1つも言ってやりたいところだが、今はそれどころではない。
クロックは思考を切り替え、話を戻した。

「それで3人の状態は順調なのか?」
「は、はいぃっ。で、でもいいんですか?
 啓太様のご許可なしに勝手に洗脳手術を施すなんて」
「バニー。言葉を選べ。これは洗脳などではない。
 私たちは記憶を失っていた哀れな怪人たちに、救いの手を差し伸べているだけだ」

有無を言わせぬオーラに押され、とにかく自分を卑下するバニーに反論する術はない。
それに確かにこの3人は、記憶を失うほどの重傷を負って担ぎ込まれてきたのだから。
賢明な読者諸君はすでにおわかりだろう。

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