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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 217

「しかしな〜鬼瓦警視正、こやつは怪人共に敗れ挙げ句の果てに敵前逃亡し街を瓦礫にしてしまったではないか。我が、ヒーロー協会に多大な損害を与えたのだよ。極刑に処すべきではないか。」
如何にも偉そうな禿げ頭な年配の上級幹部はジャスティスの失態を強調する。

「………確かにジャスティス・エクスキュージョナーの失態は事実です。ですが、彼のこれまでの功績は多大な物です。そこで、街を瓦礫にした処分として、ジャスティス・エクスキュージョナーは三階級降格させ一介の平ヒーローにさせては如何です。」


『平に降格』という言葉にジャスティスは反応するも、何とか口から出かけた反論を飲み込む。
正義の味方でなくなり、復讐の機会を永遠に失うことに比べればはるかにマシだからだ。
しかし鬼瓦の弁護にも上司たちはまだ不服そうな顔していた。

「しかし実力のない者を正義の味方にすることはできん。
 まして同じミスをする可能性のあるものならなおさら、な」
「ならば彼をしばらく出撃禁止としてください。
 その間、私が責任を持って監視しましょう」

ザワッ・・・!

その言葉に、上司たちが一斉に騒ぎ出す。
過去の激戦を生き抜いた英傑が、自らジャスティスを鍛え直すと言外に言ったからだ。
ジャスティス自身も予想以上の展開についていけないご様子だ。

「そ、それはかまわんが・・・よいのかね?
 確か君はこの間、エルカイザーの後継者を任されたばかりのはずなのでは・・・?」
「問題ありません。
 次にお目にかかるときは、彼らを1人前のヒーローに仕立て上げてご覧に入れましょう」
歴戦の勇者にそこまで言われては、上司たちに反論の余地はない。
少々わがままが過ぎて扱いづらいところはあるものの、彼に育てられるのであれば連中も使い勝手がよくなるだろう。
上司たちは一瞬にして損得の勘定を済ませると、お互いに目配せしてうなづきあう。

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