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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 210


「啓太様が到着されたので、これより警備部部長ベンケイ・ウォールの裁判を行う。
 かの者は啓太様恋しさに自らの職務を放棄し、取り押さえようとしたイブ・ジェネシスとミラージュ・フォックスを傷つけ、施設を一部破壊した。
 その挙句によけいな騒ぎを起こし、組織の存続までを脅かした。
 この罪は決して許されるべきものではない!」

夢の言葉に、ノリのいい幹部怪人たちは『そうだ、そうだ!』と賛同の異を唱える。
・・・何か、裁判って言うより判決を告げているみたいだな。
啓太は心の中でそう思わずにはいられなかった。

「本来なら極刑を持って罰するところであるが、啓太様は心優しきお方。
 無益な殺生は好まれない。
 そこで私はベンケイにチャンスを1つ与えてやることにした」

すると壁際で控えていた末端怪人たちが啓太と幹部怪人たちに、2種類のプラカードを手渡した。
カードにはそれぞれ『無罪』『有罪』と書かれている。

「もしベンケイに更生の余地があると思うものは無罪、そうでなければ有罪の札を上げていただきたい。
 無罪の場合は被告人にチャンスを与え、失態を償う機会を与える!
 しかし有罪が決定した場合は、危険人物として厳重な封印を幾重にも施し、地中深くに封印処分とすることとする!」
「待てーーーッ!?」

あまりに物騒で両極端な判決に、啓太はたまらず夢たちにツッコんだ。
しかし常識を知らないデンジャラス女どもはきょとんとした顔で啓太を見返す。
・・・まぁ、幾度となく啓太の怒りを食らった夢と、それを幾度となく見ていた鈴と空は何となく気づいたようだが。

「け、啓太様?
 その・・・わ、私たち、また何かやってしまいましたか?」
「しまいましたわ、このボケナスどもっ!!
 何だ、そのデッドオアアライブのお手軽裁判はッ!?
 有罪にする気、満々じゃねえかッ!?
 おまけに何だ、その事実上の死刑判決はッ!?」
「い・・・いえ、これはそれだけの罪を犯したということでして、ですからその・・・」
「だからっつってこんなあからさまな有罪判決があるかッ!?
 オマエらはどうしてこうも考え方が極端なんだッ!?」

爆発した怒りに誘発されて出てくる啓太の本音。
突然の啓太の怒りに、幹部怪人たちは訳もわからずその場でオロオロしっぱなしだ。
・・・仮にも組織の幹部だろうに。
つーか、ベンケイ。被告人のオマエまでオロオロすんな。

「ハアハア・・・。・・・ヤメだ」

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