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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 209

それから、30分後に工兵部隊を引き連れた夢達が到着しビルの瓦礫と土砂の生き埋めになったバルキリーとベンケイの救助活動が始まり一時間後、二人は救出された。
幸い二人は無事であった。特にバルキリーは生き埋めに成りながらも意識は保っていた。因みに今回の騒動の主、ベンケイはと言うと。
「う〜ん、啓太どの〜見捨てないで下され〜X100)
気を失いながらも寝言で啓太を呼んでいた。

啓太は血まみれのベンケイを見たときは全身の血の気が引いたものの、2人とも生きていることを知って思わず安堵のため息をついた。
その後、啓太は夢の進言から基地に戻ることになった。
2人の治療とこれ以上の厄介事を避けるためである。
そしてそれから1時間後。
啓太は騒ぎを起こしたベンケイの処罰を決める会議が始まるまで、部屋でようやくゆっくりとした時間を過ごしていた。

「あー・・・。ホンットに疲れた!
 何で外出するだけでここまで大騒ぎできるんだよ・・・」

ベッドで大の字になりながら、啓太は心の底からそう思った。
外出しただけでこんな騒ぎになっては、これからの生活はどうなってしまうのだろう?
下手すれば町の安全のためにもここに引きこもらねばならないかもしれない。
とは言え、啓太命の連中に囲まれ続けていたらダメ人間になりそうで、それもちょっと怖い。
怪人の教育についてちょっと真剣に考えないとダメかな、などと考えていたその時だ。

コンコン、

「啓太様。失礼します」

チャイナドレスを着込んだデカイシッポの怪人が入室する。
シッポの形からしておそらくリスか何かの怪人だろう。

「会議の準備ができましたので、お呼びに来ました。
 会場の親衛隊室にご案内いたします」
「・・・あい。んじゃ行こうか」

啓太は以前のようなゆっくりしたスローライフを送れるのはまだ先のことになりそうだな。
啓太は数えるのもバカらしくなったため息をつきながら親衛隊室へと向かうのだった。
親衛隊室ではすでに幹部クラスの怪人たちがそろっており、被告人のベンケイは幹部クラスの連中に囲まれるように立たされていた。

「ううぅ、啓太どのぉ〜」

まるで捨てられた子犬のような瞳で啓太を見やるベンケイ。
幹部怪人としての誇りはどこに行ったと問いたくなる光景だ。
啓太は夢のそばに座ると、裁判官ルックの夢がコンコンと木槌で机を叩く。
夢、意外と形から入るタイプらしい・・・。

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