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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 208

世界の治安を乱す凶悪犯罪者『怪人』。
その凶悪犯罪者たちをねじ伏せてきた自分が、愛用の武器をいとも簡単に奪われ、なす術もなく逃げ出したこの事実。
それは彼の人生の中で、いまだかつて受けたことのないこの屈辱であった。

(お〜の〜れ〜!あの女!
 私を引き立てるためのやられ役の分際で、私に恥をかかせるとは!
 許せん!絶対に許せん!
 私のプライドに賭けて、奴らは絶対に私の手で叩き潰す!)

ジャスティスは重厚なスーツの下で、怒りと憎悪に身を震わせながら啓太たちへの復讐を誓うのであった。
一方、ジャスティスがいなくなった町の廃墟では。

「だ、大丈夫ですか、啓太様?」
「あ、ああ。大丈夫だ。おまえこそ大丈夫か、鈴?」
「え、ええ。何とか・・・」
「うう・・・目がまだチカチカするよぅ・・・」
「アレはただの閃光弾だ、放っておけばそのうち治る。
 しかしずいぶんと派手にやらかしてくれたな・・・」

フラッシュの影響から先に立ち直ったクロックは、廃墟と化した町並みを見渡しながらつぶやく。

「これではベンケイとバルキリーを掘り当てるのは骨だな・・・。
 まったくよけいなことをしてくれる・・・!」
「そ、そうだ!早くあの2人を助け出さないと!」

ベンケイとバルキリーの名前を聞いて、啓太がここに来た目的を思い出し、1人慌てる。
ジャスティスの激しい攻撃に、彼女らのことなどすっかり忘れてしまっていたらしい。
我が身で精一杯の一般人らしい反応である。

「落ち着いてください、啓太様。
 今のメンバーでは探索も救出も難しい状況です。
 今頃、さっきの攻撃を見た夢たちがここへやってくるはずです。
 彼女たちの到着を待ちましょう」
「待てって、そんな悠長な・・・!」
「大将。クロックの言うとおりだ。
 ここは夢の姐さんたちが着くまで待ったほうがいい」
「ビーストまで・・・!?」

クロックだけでなく、ビーストまでが冷たいことを言い出すので、啓太は思わず失望と悲しみの声を上げる。
それが彼女にも伝わったのだろう、ビーストは慌てて説明を始めた。

「い、いや、オレだって連中を助けたいとは思っているさ!
 でも、今の状況じゃ、ホントに何もできないんだよ。
 探そうにも、さっきの攻撃でニオイが飛んで連中の埋まっている位置がわからない。
 闇雲に探そうにも、オレらの力じゃ強すぎて、逆にとどめを刺しかねねえんだ。
 な?焦る気持ちはわかるけど押さえてくれや。な?」

助けるどころか殺しかねないと言われれば、さすがの啓太も考えを改めざるを得ない。
啓太はしぶしぶ了承し、夢たちの到着を待つことにした。

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