PiPi's World 投稿小説

世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

の最初へ
 204
 206
の最後へ

世界の中心で平和を叫ぶ。 206


「ワーム・ホール」

クロックはそれを目の当たりにしてなお、動揺することなく、空間に黒い穴を開ける。
そしてジャスティス・エクスキューショナーの雷はキレイに穴に消えていく・・・はずだった。

バリバリバリバリバリバリバリ・・・!

「・・・?」

いつまで経っても止まる様子のないレーザー砲。
気のせいか、その勢いは弱まるどころか強くなっているような節さえある。
一方、クロックのほうは表情こそ変わっていないが、頬に一筋の汗が流れていく。
何となく分が悪そうな・・・?

「・・・ッ、鈴、しっかり結界を張っておけ。
 そろそろ穴を維持するのがキツくなってきた」
「お、オイオイ!?冗談だろ!?」
「申し訳ありません、啓太様。
 少し衝撃で揺れますが、ご辛抱を」

クロックが言い終わると同時に黒い穴は消え、自由になったレーザー光線が啓太たちに向かって降り注ぐ!

「どわあぁぁああぁっ!?」

啓太のマヌケな悲鳴は直後に起こった衝撃と爆発音であっという間に聞こえなくなってしまった。

ドゴオォォ・・・ン・・・!!・・・ガラガラガラ・・・!

ジャスティス・エクスキューショナーの放った一撃は大爆発を起こし、ビルの立ち並ぶ通りは瓦礫の山へと風景を変えてしまっていた。
もうもうと土煙が立ち込める中、ジャスティス・エクスキューショナーはゆっくりと着地する。

「・・・フン。時空系の技は確かに強力ではある。
 しかし強力すぎるゆえに、長時間使うことはできないのが最大の弱点だ」

ジャスティス・エクスキューショナーは1人つぶやきながら両手で構えた大砲を片手に持ち直す。

「だがこの空気を弾丸にする大砲、この『ジャスティス・パニッシュメント』ならどんな技も関係なく撃ち抜くことができる。
 怪人など正義の前ではなす術などないのだ。
 ふふ・・・あはは、ハーッハッハッハッハッ!」

勝利を確信し、高笑いするジャスティス・エクスキューショナー。
確かにあたりを廃墟にするほどの力で撃って、勝てないと思うほうが無理だろう。
だが彼はこのとき気づいていなかった。
今、自分が相手しているのは今まで相手してきたザコではないということを。

ヒュンッ・・・

「?」

どこからともなく飛んできた懐中時計。
ジャスティス・エクスキューショナーは反射的にそれを受け止め、それが何かを理解した瞬間・・・!

ドカアァァンッ!

時計は大爆発。ジャスティス・エクスキューショナーはものの見事に爆発に巻き込まれた。

「く、クロック!?な、何オマエ、オレの目の前で平然と公開殺人を・・・っ!?」
「お、落ち着いてください、啓太様!
 啓太様の忠実な下僕を自認するクロック様がそんなことをするわけ・・・あぁっ?」

SNSでこの小説を紹介

SFの他のリレー小説

こちらから小説を探す