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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 204


「・・・鈴!結界を展開しろ!正義の味方だ!」
「は、はいっ!」

いち早く人影の正体を見破ったクロックが鈴に命令する。
間髪入れず、命令を受けた鈴の髪から何かが8つ飛び出した。
飛び出してきたものは、蝶か何かのさなぎを思わせるフォルムをした、拳大くらいの機械であった。

カシュッ・・・!

飛び出した機械たちは何か空気が抜けるような音がしたかと思うと、外装が羽のように広がり、鈴のまわりをひゅんひゅんと旋回し始めた。
これが鈴が再改造で手に入れた新たな力、その名も『ビット・シールド』である。

「・・・・・・ッ!」

まだ不慣れなのであろう。
鈴は気合の入った顔でビット・シールドを展開させて啓太たちのまわりに配置させる。
次の瞬間、ビット同士の間に電気が走って線を結び、さらにそこから面を形成。
啓太たちは電気らしきものでできた『箱』の中に収められた。

「ベンケイッ!?バルキリーッ!?」

突然の惨劇に、啓太は彼女らを助け出そうと『箱』へ手を伸ばす・・・が。

バチィッ!

「あづっ!?」

箱の面に触れた瞬間、電気が走り、啓太は再び『箱』の中に押し戻された。
これが鈴の新しく手に入れた新兵器『ビット・シールド』の力である。
これにより鈴は面・立体の2つのタイプのシールドを張って啓太を守ることができる。
しかし今の啓太にとって、鈴の張った結界は邪魔者以外の何物でもなかった。

「鈴!今すぐ結界を外せ!!
 ベンケイとバルキリーがっ!?」
「落ち着いてください、啓太様っ!
 あの2人だって怪人です!そう簡単には死にません!」

クロックはそう言って落ち着かせようとするが、啓太にはとても2人が無事だとは思えなかった。
全身ボロボロの状態で生き埋めとなったベンケイと、一撃で鉄の巨人モードを粉砕されたバルキリー。
一刻も早く助けに行きたいのに、クロックたち4人が懸命にそれを止める。
何しろ相手は不意打ちとは言え、一撃で鉄の巨人(=バルキリー)を倒した相手だ。
油断はできない。
クロックたちの視線の先で、敵は2回ほど光の線を発すると、ゆっくりと地上に向かって降りてきた。
それは以前戦ったエルカイザーとは全く異質の相手であった。

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