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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 199

思い返せばどんどん出てくる心当たり。
特に雅なんて露骨もいいところではないか!
何で今まで気づかなかったんだと、彼女いない歴=年齢の主人公は心の中で悶絶する。
明らかに様子のおかしい啓太と、それに声をかけられないでいる鈴&空。
膠着状態になった3人を動かしたのは、第3者の呼びかけだった。

「啓太様?何を1人悶えてらっしゃるのです?
 ギャラリーがひどく冷めた目でご覧になってますが」
「ひゃばっ!?」

いつの間にかやってきていたクロックが、遠巻きの見物人に負けないほど冷たい視線でこちらを見ていた。
平時なら自分の奇態に自己嫌悪に陥る啓太であるが、鈴と空に想われていたと聞いた今は逆にありがたい。
冷たすぎる視線と態度が、かえって啓太の頭を冷やしてくれた。

「ああ、うん、その・・・悪かった」
「・・・?まぁ、頭を冷やされたのならそれでいいのですが」

クロックは啓太の様子を不審がっていたが。
今はそんな状況ではないので、再びベンケイ生け捕り作戦に話を戻す。

「今、私の部下が本作戦のキーパーソンである夢とパラサイト、リリス(雅)を迎えに行っています。
 彼女らが現場に到着するまでの間に、作戦の内容を夢に代わってやらせていただきます」

そしてクロックは啓太たちと現場に向かう傍らで、作戦の説明を始めた。
内容は以下の通り。
まず鈴と雅の能力で、ベンケイの戦闘能力を半分以下に削ぎ落とすフィールドを作る。
弱体化させたところにパラサイトが寄生してさらに弱体化したところで、啓太の鎧を生成する能力を折と利用して拘束する。
夢とその他の戦闘員は、正義の味方の足止めや不測の事態に備えてのサポートを担当する、ということだった。

「内容は簡単ですが、この作戦は啓太様とパラサイトにかなりの負担を強いることになります。
 何しろ鈴とリリス(雅)の能力で作った結界の中での作業となりますから」
「ほ、ホントにそんな作戦で啓太様たちは大丈夫なんですか?」

空が恐る恐るクロックに訊ねる。当然だ。
最愛の主人が傷つくと聞いて心配しないはずがない。

「・・・難しいところだな。いくら怪人化した啓太様とは言え、ベンケイを拘束するまで能力は使えないわけだからな。
 おまけにタイミングを誤ればヤツの怪力で死ぬことすらあり得る」
「そ、そんな!?啓太様をそんな危ない作戦に参加させるんですか!?」
「残念ながら、啓太様のご要望をお答えする上で、1番安全と思われるものがこれだ。
 啓太様。我々も最善を尽くしますが、ここが正念場です。

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