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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 194


ズゥン・・・!ズゥン・・・!

するとどこからともなく重苦しい足音のようなものが響いてきた。
何だ、この音は?
音は時間とともにだんだん大きくなり・・・。
そして音の正体がビルの影からひょっこりと姿を現した・・・って!

ドズン!ドズン!

出てきたのは巨大な鉄の塊。
かろうじて人の形を保った鉄の巨人が姿を現したのである!?
・・・ちょっと出てくる小説間違えていませんか!?

「おいおい!?バルキリーのヤツ、何考えてんだ!?
 いくら何でも派手にやりすぎだろ!?」

・・・やっぱり彼女の仕業ですか。
作者の嘆きを代弁するかのようにビーストが抗議の声を上げる。

「確かにやりすぎだが仕方あるまい。
 ベンケイを押さえ込むにはこれほどの力が必要と判断したのだろう」
「いやそんな問題違うって!
 これじゃ正義の味方を団体でお呼びしているもんじゃねーかっつってんだよッ!?」
「た、確かにコレでは間違いなく正義の味方が飛んできますね。
 クロック様、バルキリー様はどこからこんな巨人を持ち出してきたのですか?」

シャーマンの問いに、クロックは片眼鏡を拭きつつ質問に答えた。

「たぶん避難を済ませた地域から適当に材料を見繕って作ってきたのだろう」
「『作った』?バルキリー様がこの巨人を?
 それもこんな短時間で?」
「あー・・・。生まれ変わったばっかのオマエは知らねーのか。
 アイツはな、機械類を侵食することで自分の身体の一部にできんのよ」
「もっともそれには時間のロスやダメージのフィードバック、ハッキングによる支配権の取り上げ・・・などなどの弱点も多く、あんな扱いは危険極まりないのだが・・・。
 それだけ切羽詰った状態ということか」

クロックの冷静な状況判断に、ビーストは再び声を荒げて抗議する。

「冷静に言ってる場合か!?早く何とかしねえと、このまま正義の味方との全面戦争になりかねねえぞ!?」
「・・・ふむ。確かにそれはまずいな。
 では私は啓太様をお迎えに行って来よう。
 ビースト、オマエはどうする?」
「バカ野郎!あのバカ2人を放っていけるかよ!?
 オレは何とかアイツらを黙らしてみる!」
「・・・勝手にしろ。
 シャーマン、オマエは私とともに来い。
 どの道オマエの能力ではあの2人に対抗できん」
「かしこまりました」

こうして事態は悪化の一途をたどりながら進展していく。
その先に行くのは果たして破滅か死か。
どちらにしろ、ろくなことになりそうにないのだけは間違いなさそうだった。

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