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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 191


パラサイトはそう言うと、全裸のまま大仰に頭を下げた。
啓太は目の前のショッキングな光景に、何とか返事するのが精一杯だった。

「申し訳ございません、啓太様。
 できればパラサイトの能力は少々刺激が強すぎるため、後でゆっくり紹介しようと思っていたのですが・・・。
 その、状況が状況だけに・・・」
「い・・・いや、いいんだよ。
 そ・・・それより作戦のこと、説明してくれるかな?
 何でこの作戦で鈴の力が必要なのかとか・・・」
必死に正気を保とうとする主の様子に、不安を隠せない忠実な下僕は、言葉を選びながらおずおずと説明を始めた。
なぜこの作戦にパラサイトと鈴、そして啓太の力が必要なのかを。
最初は黙って聞き入っていた啓太だが、鈴が必要な理由を聞いたあたりでいきなり鈴を怒鳴り始めた。
怒る啓太に鈴は土下座して平謝りし、空は必死になって母親のフォローをする。
その後、夢の説得もあって何とか黙った啓太だが・・・。
その顔には明らかな不満とくすぶり続ける怒りが映っていた。

「・・・以上が私の考えた作戦の全容です。
 啓太様にはいろいろご迷惑をかけてしまい、申し訳ないしだいです」
「そう思っているなら、2度とこんなマネはしないでくれ!
 オレは鈴たちに『あんなこと』をさせるために力を貸したんじゃないッ!?」
「ならば一刻も早く全ての悪の組織、正義の味方を倒して世界を統一してくださいませ。
 そうすればこのようなことは起こらなくなるでしょう」
「・・・ッ!!」

その言葉に一瞬啓太はキレかかるものの、すぐに冷静さを取り戻して外へと向かう。

「啓太様!?どちらへ!?お1人で外に行かれるのは危険です!!」
「早くベンケイを止めにいく」

あふれ出る怒りを抑えながら啓太は現場に向かう。
あわてて自分を追ってくる夢たちを見ながら啓太は思う。
自分がもっと強かったら、と。
そうすれば鈴たちがあんな暴挙に出ることはなかったろうに。
啓太は決意を新たにしながら、足早にベンケイの待つ現場に向かって駆け出していった。

「ま・・・待ってください、啓太様!」
「お1人での外出は危険です!」

慌てて糸田親子や護衛の刀が啓太を追って飛び出していく。
そして部屋には啓太を怒らせた夢と、全裸のため外に出られないパラサイト、そして雅の3人が残された。

「・・・やれやれ。これでよかったのか、夢?
 啓太に鈴に『アレ』を施したことを話してしまって。
 ライバルが減るのはうれしいが、啓太に嫌われるようなマネは感心しないぞ?」

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