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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 190


啓太に口を挟むスキを与えず、阿吽の呼吸で話を進める夢と雅。
事態が事態だけに、みな事件を大きくしたり死者を出したくないこともあり、啓太ははやる心を抑えざるを得なかった。

「雅・鈴・パラサイトの3人でベンケイを弱らせたところを、啓太様のシェルターに閉じ込めるやり方が有効だ」
「・・・?パラサイトって?」

聞き慣れない名前に啓太は思わず口を挟む。
その疑問に夢は怪訝そうな表情を浮かべたが、すぐに納得いったのか、説明を始めた。

「パラサイトとは特務部部長パラサイト・インベーダーのことです。
 今回のミッションでは、啓太様の護衛として参加しています」
「「・・・・・・ッ!」」
「え?え?でもそんな人、どこにもいなかったけど?」

夢の解説に啓太の疑問符はますます数を増す。
その脇では、刀と雅が何かに気づいたように夢をにらみつけている。
そんれを見た啓太は一瞬で悟る。

(ああ、夢がまた何か余計なことをしたんだな)

と。そしてそれを照明するかのように夢が謝罪する。

「申し訳ありません、啓太様。
 護衛は最小限にと言うことでしたが、万が一のことを考え、私の独断で潜ませていたのです」
「・・・なるほどな。その件についてはあとでたっぷりと話し合う必要がありそうだ」
「で?今回は誰の中にいるんです?雅様ですか?啓太様ですか?」
「え?え?どういうことだよ、それ?」
「答えは簡単。
 私の能力は生き物の身体の中に侵入・同化して寄生することだから、よ」

話の途中で聞き慣れない声が響き、啓太は驚いたように声の発生源を向く。
するとそこには雅と、その背中から不自然な角度で伸びる右手が啓太の視界に入った。

「ちっ・・・。いつの間に私の中に入った!?」
「もちろんあなたの知らないうちに♪
 さすがのあなたも、あっという間に寄生されては自慢のレーダーに引っかからないみたいね?」

そう言って雅の背中から出てきたのは、見知らぬ女性の上半身だった。
・・・はて?彼女の下半身はどこにあるのだろう?
答えは簡単。『下半身はなかった』だ。
彼女の腰から下は、なんと雅の腰辺りから完全に一体化してしまっているのだから――!

「な・・・!?ななななな・・・!?」

驚きのあまり、言葉にならない様子の啓太君。
そんな主のことなど軽く無視して、見知らぬ女性は雅の背中から残った下半身を抜き出して地面に足をつける。
全裸だった。

「こうしてお話しするのは初めてでしたね。
 私は特務部部長、『寄生怪人』パラサイト・インベーダーと申します。
 特技はご覧のとおり、生き物の体内に侵入、寄生すること・・・。
 どうぞよろしくお願いいたします♪」
「あ、ああ・・・」

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