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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 189

バルキリー・クロックあたりなら足止めできるかもしれないが、捕獲とまでは行かないだろう。
ビーストは性格から搦め手なんてできないし、シャーマンは能力の使用条件から相手にならない。
まして彼女は今回が初陣だ。
・・・となると。

「本部!イブとミラージュは基地に待機させておけ!
 我々が応援に向かう!」
「えっ!?し、しかしそれでは啓太様が!」
「ヤツは啓太様を慕って暴走している!
 短時間にベンケイを生け捕りにするには、啓太様のお力を借りるしかない!
 全責任は私が持つ!」

そう言うと夢は一方的に通信を切った。

「ちょっ、夢!?一体何があったのさ!?」
「ベンケイ様を生け捕りって何です!?」
「まさか、正義の味方に基地の居場所を知られたのですか!?」

思わぬ事態に啓太・鈴・空の3人はすっかりパニックになって夢に説明を求める。
怒鳴り散らしたいところだが、主人の啓太の手前、どうしたものかと考えていると・・・。

「静かにしろ、おまえたちッ!!」
『ッ!?』
雅が一喝。3人はその気迫に押されて言葉をつむぐ。

「今、おまえたちが騒いだところで何になる!?
 夢が説明しようとしているんだ、黙って聞けッ!!」

夢の怒声に3人は落ち着きを通り越して萎縮し始める。
その様子を見て、雅はすかさず夢にウインク。
どうやら自分の気持ちを汲んで、この場を押さえてくれたようだ。
夢は雅にちょっとだけ感謝しつつもみなに事の次第を説明した。
「ああ。幸いここにいるのは雅のような搦め手を使うタイプや防衛・回復といった補助系の怪人がいる。
 それに啓太様のお力を借りれば、ヤツを捕らえることは可能だ」
「い、一体どうやって?」

色めき立つ啓太に、夢はその作戦内容を公開した。

「内容は簡単です。
 私と刀で足止めしてから雅・鈴がヤツを弱らせ、啓太様のシェルターで3重にして捕獲します」
ベンケイの事情を知らない啓太はひどく驚いていたようだが、その彼女が手負いで暴れていると知り、さらにその顔を青く染めていた。

「たっ、大変だっ!?
 は、早くベンケイを助けないとっ!?」
「落ち着いてください、啓太様!
 相手は身体能力を極限まで高められた特別製です!
 まして相手は手負いの獣!
 うかつに近寄れば、抱きしめられてあっという間に胴体を真っ二つにされます!」
「うむ。確かに真正面から行くのは得策でないな。
 ここは1つ作戦を立てていこう。
 夢、何か手立てはないのか?」

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