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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 186


ボッ!ボボボボボボ・・・ッ!!

ベンケイの拳から衝撃波が飛び出し、イブの分身や幻に次々とヒットする。
だが彼女の狙いは幻ではない。
その後ろにいる・・・ミラージュ!

「ッ!!ふせろ、ミラージュ!」

イブに言われるより早く術を中断してミラージュはその場に伏せる。
そのすぐ頭上をベンケイの衝撃波が通過し、基地の壁に拳大の大きな凹みができる。
見渡せばあたり一面破壊の限りが尽くされ、すでに基地としての原形は留めていない。
すでに予測済みなのか、誰一人としてこの戦いを止めようとするものはなく、戦いはますますヒートアップしてくる。
・・・悪いが、ここを見るのは戦いが終わった頃にしよう。
こんなすさまじい戦いを見てたら、これから先の話に影響が出かねない。
この辺で再び啓太にスポットを戻してまったりすることにしよう。

――――

で。啓太たちは何をやっていたかと言うと。

「あら、これおいしい・・・!これも、これも・・・!
 みなさん、ずいぶんとお料理がお得意ですのね!?」
「い・・・いえ、それほどでも(チラッ、)」
「わ、私はいつも母さんにいろいろ教えてもらってますから(チラッ、)」
「ふふん。この料理は以前、啓太にお墨付きをもらった一品だからな。
 うまくないはずがない」
「喜んでいただけて何よりです。
 さ、夢さんも遠慮しないで、どんどん食べてくださいね?」

バキッ!

「そ、そうだな。せっかくおいしいんだ、ありがたく食わせてもらおう」

唯一料理のできない夢は、箸をへし折りながらにこやかにそう語るのであった。
こちらも修羅場はますますヒートアップしているようだった。
いや、ヒートアップしているのは夢と雅の2人だけか。
我が道を突き進む雅は仕方ないにしても、啓太の1番の怪人を自負している夢は、料理ができないと言う屈辱にさっきからこのような危険な行動がちらちらと見受けられる。
彼女の怖さを知っている面々は、そのヤバさに気づき、何とか彼女の怒りを静めようとしているのであった。
なのに、この母親は狙っているのか天然なのか、次々と難題を吹っかけてくるのであった。

(け、啓太様!ど〜します?
 このままじゃ夢さま爆発しちゃいますよぉ〜!?)

空がアイコンタクトで涙ながらに訴えてくる。

(落ち着きなさい、空!
 啓太様!ここは1つ、私たちの関係を説明しつつ、夢さまのいいところを挙げていくのがよろしいかと!)
(あ、ああ!わかった!)
(啓太様!雅さまのこともお忘れなく!
 あとできれば私たちのことも忘れずにお願いします!)
(んな器用なことできるかっ!?)

ともかく必死のアイコンタクトで基本方針を固めた啓太たちは、味のしない料理をついばみながら話を始める。

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