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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 184

風の刃を避けても赤と青の攻撃は避けられないし、ダメージ覚悟で突っ込んでいっても傷ついた身体で2人を同時に相手にできない。
どうやら3人は巫女怪人『カーズド・シャーマン』を一瞬で片付け、そのまま残る2人を倒すつもりのようだ。
ナメられたものである。
少なくともビーストは正義の味方であるエルカイザーを殺したほどの実力者であるというのに。
そんな中、避けようともしないシャーマンに風の刃が容赦なく襲いかかった――!

ゴトッ!ゴト、ゴトンッ・・・!

何か重いものが落ちる音が連続して響く。
登場早々にしてカーズド・シャーマンが幾つかの肉塊に分断されたのか!?
そこには何とも不気味な光景が広がっていた。

「く・・・あ・・・?」
「そん・・・っ、な・・・!」
「今のは・・・一体・・・?」

画面を一時停止されたように動きを止めたエレメンタル・ガーディアンが何事かつぶやいた。
その瞬間・・・!

ブシッ!ブシャ、ブシャシャッ!

3人の正義の味方の全身から血が飛び出し、力なくその場に倒れ伏した。
一方、攻撃されたシャーマンは何事もなかったかのように目を閉じたままその場に立っているのみ。
いや、違う。
よく見ると彼女の両目や手に取り付けられていた拘束具がない。
彼女を先ほどまで拘束していた道具たちは彼女の足元のすぐそばでエレメンタル・ガーディアンと同じように地面に転がっている。
さっきの重いものが落ちる音は拘束具の落ちる音だったらしい。

「・・・ほう。見事な腕前だな」
「ありがとうございます」
「だが少しやりすぎだ。
 女ならご主人様の奴隷として再利用できる。
 次からは殺さないように注意しろ」

淡々としたクロックとシャーマンのやり取り。
しかし事の次第を見守っていたビーストは納得できないと言わんばかりの様子で食ってかかる。

「おいおい!待てよ!何2人して話を進めているんだよ!?
 オレにもわかるように説明しろ!」

ビーストが食ってかかるのも仕方がない。
なぜならシャーマンは『何もしていない』のだから。
あの時シャーマンは、クロックの許可を得て拘束具を外した。
その次の瞬間、緑の放った風の刃は弾けて消え去り、エレメンタル・ガーディアンの3人もその動きを止めた。
そして思い出したかのように血を噴いて倒れてしまったのである。
ありとあらゆる生き物のDNAを持つ超獣型のビーストでも見切れなかったシャーマンの能力。
彼女はあの一瞬にエレメンタル・ガーディアンに何をしたと言うのだろうか?

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