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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 181

戦わずして敗者の烙印を押された夢は、それからと言うものずっとああして座り込んでいる。

(あー・・・。母さんと我が身を守るためとは言え、どおーしたモンかね〜・・・。
 生半可なことじゃ機嫌直してくれそうにないし・・・)

啓太がどうやって夢をとりなそうか考えていると、その向かい側に座る京子がクスクスと笑い始めた。

「ちょっと見ない間にずいぶんと女の子にモテるようになったわね、啓太」
「ど、どこがだよ」

内心、肉体関係を見破られたかと思い、ドキドキしつつぶっきらぼうにに答える啓太。
すると京子は意地悪そうな笑顔を浮かべながら身体を乗り出す。
重たげな母の巨乳がテーブルに乗せられ、その形を変える。

「ナニ?お母さんに女性関係のことを言われるのが恥ずかしい?
 ウチにいたころは半引きこもりのムッツリスケベだったくせに?」
「か、母さんっ!?」

余計なことは言うなと啓太が声を荒げる。
こういうとき家族とは厄介なものだ。
京子はわかってると手を振って軽く合図を送ると再び乗り出した身体を元の位置に戻す。

「・・・でも、啓太が元気そうで本当に安心したわ。
 啓太のことだからご近所づきあいもしないでいたんじゃないかと心配してたんだけど・・・。
 よけいなお世話だったみたいね」
(いや、その予想間違ってないから)

啓太はそうツッコミたいのをかろうじて飲み込む。
何しろ相手は現場を離れたとは言え、雑誌の編集関係者だ。
家族だからと油断して、よけいな情報を漏らすわけにはいかない。
それは夢たちへの身の安全だけでなく、自分と家族自身を守るためでの措置でもあった。

「そういう母さんこそどうなんだよ。
 雑誌の仕事、大変なんだろ?」
「ま、確かに相変わらずお休みも満足に取れないハードな生活だけどね。
 それなりに楽しい生活を遅らせてもらっているわ」
「だろうね。でなきゃ、その年齢でその若さを維持できるわけがないもんな」
「ホメ言葉と受け取っておくわ」
「啓太ーっ!夢ーっ!すまないが料理運ぶのを手伝ってくれーっ!」
「へ〜い!じゃ、料理持ってくるからちょっと待ってて。
 おい夢!いつまで凹んでるんだ!?さっさと手伝いに行くぞ!」

そして啓太はいまだに立ち直れずにいる夢を引きずりながら、あることを思い出す。

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