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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 171


そう言ってナイトメアはうれしそうに微笑む。
そしてそれは啓太も同じだった。
使い捨ての道具でしかなかった彼女たちが、自分のためにといろいろなことを覚えようとしてくれている。
当初は戦闘以外はHなことしかできなかった彼女たちの成長に、啓太は喜びを隠しきれなかった。

「啓太。ナイトメアばかりほめるな。
 私もナイトメアと同じように、いろいろがんばっているんだぞ?
 ほら、私のも食べて、しっかりほめろ」

ナイトメアに嫉妬したのか、リリスが啓太に味見要の小皿を差し出す。
リリスのほうは・・・具がほとんど原型を留めていないので何の料理かはわからないが、液体っぽいからたぶん汁物だろう。
何かわからないものを食べるのは正直ちょっと怖かったが、夢の料理のようなおぞましいニオイや色もしてないから大丈夫だろうと判断して口に入れる。

「・・・どうだ?」
「・・・うん、うまいけど・・・何、コレ?」

やや不安そうに尋ねるリリスに、啓太は微妙な表情を浮かべた。
料理自体は決してまずくはない。
むしろうまいレベルに入るだろう。
しかし、汁物だと思って食べたものは・・・甘かった。
しょうゆベースで甘い汁物に心当たりのない啓太は、うまいという感情よりも料理の種類への好奇心が勝ったのだ。

「肉じゃがだ。厨房に通いつめて覚えた。
 だが・・・あまりうまくなかったようだな。すまない」

啓太の表情を見て、いささかがっかりした様子のリリス。
それを見た啓太は、慌てて弁解する。

「い、いやいや!ホントにうまかったって!
 ただ、中に入っている具材がわからなかっただけだって!」
「・・・ホントか?」
「ホントホント!」
「神様に誓ってか?」
「天地神明に誓って」
「・・・そうか♪なら、いい。それじゃ私は戻る。
 まだ作りかけの料理があるからな」
「あ、それでは私も失礼します」

不安から一転、うれしそうな様子でリリスはナイトメアと台所に戻る。
それを見送った啓太は一言。

「女の子の手料理を食ったらほめろって、ホントだったんだなぁ」

料理は見てくれで判断してはいけないとつくづく実感した。

「こりゃ、相当いいの考えないといけないなぁ」

啓太はそう言うと、隠していた紙を取り出して何やら考え始めたのだった。

「啓太、待たせた」
「料理ができましたので、昼食にしましょう」

昼食ができたのはそれから10分後のことだった。
テーブルの上に先ほど味見したスープ状の肉じゃがと大根・ニンジンの和え物、そしてなめ茸のおろし和えとブリの照り焼きがごはんのお供に並べられる。
一品だけでも驚いたのに、まさか二品も用意されるとは思っていなかった啓太は、またもや簡単の声を上げる。

「ふえぇ・・・!2人とも、ホントに料理の勉強をがんばってたんだねえ・・・!」
「そんなに驚くな。啓太のためならこれくらい当然だ」

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