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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 162


「リリス。金は持っているか?」
「大丈夫だ。夢からミッション開始前に渡されている」

ちなみにこれは組織からの出費である。
これを聞いた警備担当の怪人たちは、今日の夕飯のおかずを心配せずにはいられなかった。

「ん。じゃ、ためしにここでさっき教えたことをやってみろ」
「う、うむ。わかった。啓太。できたらちゃんとホメてくれよ?」
「はいはい」

リリスは啓太との心の距離が縮まっていくことに身体を震わせながらレジに並ぶ。
さて彼女は無事に買い物をすることができるだろうか?
・・・と啓太は内心不安がっていたが、ムダな杞憂であった。
リリスは胸の谷間から(なぜ?)手品のように財布を取り出すと、何の問題もなく万札を1枚出しておつりを受け取った。
あまりにスムーズにやったものだから、啓太も呆気に取られる。

「どうだ、啓太?私は他の連中と違って使えるだろう?」
「ああ・・・。正直驚いた」
「ふふ・・・。啓太に喜んでもらえると、私もうれしい」

リリスはそう言って極上の笑顔を啓太に向けた。
その表情に啓太は自分の胸が大きく高鳴るのを感じた。
無理もない。それは今まで啓太が見ていた怪人たちのどの顔とも違う。
啓太に喜んでもらえたことを心底喜んでいる無邪気な子供のような笑顔だったからだ。
何しろ、怪人たちはその環境と存在意義から、啓太が引くくらい発情しているか、必死になっているかのどちらかしかない。
それだけに、こういう人間らしいピュアな表情はかなり効果的だった。
リリス・ヴァンパイア。
素直クールと天然系の属性を併せ持つ、恐るべき怪人である。
だがちょっと欲が出てきたのか、その純粋さにかげりが入ったかと思うと、こんなことを言い出してきた。

「なあ、啓太。うまくできたんだからちょっとくらいご褒美をくれないか?」
「ご、ご褒美?」

その言葉に啓太は思わず引く。
今夜はたっぷりかわいがれとか、そういうことを言うかと思ったのだ。

「・・・そんなに引くな。ここでもできる簡単なことだ」
「え・・・?あ、ああ!『頭をなでろ』とかそういうこと・・・?!」

言い終わるより先に啓太の唇はリリスの唇にふさがれていた。
啓太の驚いているスキにリリスは舌をさし込み、啓太の舌を思う存分になぶり、舐め上げる。
断っておくが、ここは近所のスーパーである。
込み合う夕方の時間帯ではないが、それなりに客もいる。
そんな中、いきなりかまされたリリスのディープキス。
アダルトビデオでもお目にかかれない官能的なショッキング映像に、ご近所のおば様方や店員たちも食い入るように見入っている。
やがて1人満足したリリスは『キュポンッ!』といい音を立てて唇を離す。

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