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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 17

「はっ!?」

見れば少女は待ちくたびれて、涙目になっていた。
美人なだけに、どれだけ待ちわびていたかがヒシヒシと伝わってくる。

「ご、ごめんっ!いや、あの、えっと・・・!
 いや、俺、初めてだから・・・!アッ!?」

・・・言っちゃった。
自分がこの年齢まで童貞とは知られたくなかったろうに。
相手の少女にはすでに知られているわけだが、それでも隠したいのが悲しいかな、男心というものだ。
ホントは気の利いた言い訳でごまかそうとしたんだろーけど・・・。
天の声たる私のことなんか説明できないしねえ。

「い、いやっ!違うっ!そーじゃなくて!」

おお。啓太くん、大パニック。
見てるこっちが哀れに思えるぐらい動揺している。
怪人少女に理由の1つでも話してあげたいところだけど、私の声が聞こえてないようだし・・・どうしたもんだべ。
啓太と一緒に途方にくれていた時だった。

「啓太さま・・・」
「!?」

ギュッ・・・

何を思ったか、少女は優しく微笑むと啓太を優しく抱きしめた。
そのままいくばくかの時間が流れた。
啓太は突然の出来事に何もできずに少女の胸の中に埋もれていた。

「・・・落ち着かれましたか?」

不意に少女が口を開いた。
啓太は少々苦労してその豊満な胸から顔を上げた。

「申し訳ありません。
 私が怪人だから緊張させてしまったんですね?」
「え!?」

思わぬ謝罪に啓太は驚く。
てっきり童貞であることを慰められると思っていたんだろう。
少女は言葉を続ける。

「ご安心ください、私の身体は基本的に人間と変わりません。
 ですから・・・私を・・・啓太さまの・・・その、モノ、に・・・」

うわ。思った以上に腹黒いな。
読者のみんな、だまされるな!
啓太にエロデータを送り込んだり、本番行為をさせるために胸で窒息させかけたりするようなヤツがこんなセリフを言うわけない。
おそらく主である啓太に恥をかかせることなく、本番に持ち込もうとしているのだろう。
実にしたたかな女である。
もっとも、おもしろそうなので啓太にそれを教えるつもりはないが。

「ち、違うっ」
「え? 啓太、さま?」

あ、流石に気がつい…

「君が怪人だからなんかじゃないっ。その、俺が…初めてだから…」

…てないか。
啓太、君はホント健気だね。
せっかくウヤムヤになりかけた設定をほじくりかえすなんて。
別に他に言い様はあったでしょ。

ぎゅっ…

「啓太さま」
「え…?」

え、そこ感動するとこなの? 笑うとこじゃなくて?

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