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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 158

啓太と一緒でない仕事などそれほどやる気がそそられないから、という考えも捨てきれないが。
しかしクロックは冗談ではないとばかりに語気を強めて反論する。

「何を言う!?Time is money!
 この世には1分1秒だってムダにできる時間など存在せんのだぞ!?
 コイツが使えるかどうかを早く確かめねば、その分の時間と金がムダになってしまうだろうが!?
 ああ、またくだらないことに時間を浪費してしまった。
 早く人目につく場所に出るぞ!」

クロックはそう言うと、終始無言の拘束巫女を引き連れ、出口目指して歩き出す。

「・・・はあ」

繰り返されるやり取りに、ビーストは再びため息をつく。
このクロックという女。
有能ではあるのだが、職業柄か、非常に神経質な性格の持ち主だった。
何もそんなに急がんでも機会なぞいくらでもあると思うのだが、いくら言ってもクロックは聞き入れない。
ムダな出費を削るためだか知らないが、それに自分を巻き込まんでほしい・・・。
ビーストは心の底からそう思っていた。
拘束巫女が何か言ってくれれば、まだ救いもあるのだが、あいにく相手は終始無言で何を考えてるかわからないと来ている。

(あうぅ・・・。大将ぉ〜。会いたいよぉ〜)

ケンカっ早い自分の性格を心底恨みつつ、ビーストは選考するパートナーたちの後を追うのであった。
さて、お次は今まで紹介された幹部怪人でこのミッションに参加していない連中・・・。
すなわちイブ・ベンケイ・ミラージュの3人をのぞいてみよう。
今、彼女たちが何をしているかと言うと・・・。

「うおおぉぉおおっ!!進め、進めぇッ!
 我らの進軍を阻むものは何人たりとも許すなァッ!!」

おおっ!?何だ何だ?これは一体何事だ!?
ベンケイの雄叫びに、多くの仲間が呼応し、目の前の敵に襲いかかる。
迎え撃つ敵軍も、負けじと戦いの雄叫びを上げて彼女らに向かって突っ込んでいく。
まさか啓太のいない間に、敵組織が奇襲をかけてきたのだろうか!?
謎が渦巻く戦場。乱戦となった戦場で、大小2つの影が音もなく降り立つ。

「・・・行かせない」
「まったく、聞き分けのない娘たちですねっ!?」

降り立った2つの影。それは管理部部長、イブ・ジェネシスと警備部副部長、ミラージュ・フォックスその人であった。
ミラージュはまるで魔法でも放つかのごとく両手を差し出すと、何もない虚空からいくつもの巨大な異形の怪物たちを出現させる。
突然の怪物たちの出現に、ベンケイの軍勢は大きく動揺する。

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