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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 153


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バキャッ!

「一体どういうことですか、夢さまッ!?」

バルキリーの拳が振り下ろされ、机はイヤな音を立てて破壊される。
ここは先に紹介された親衛隊室。
今ここにはリリスを除く全部署の幹部怪人たちが集結していた。
集まった理由は当然、リリスの抜け駆けを容認したことの釈明要求である。
ちなみに啓太は家までの安全ルートを確保するまで待機してもらっている。

「全くでござる!
 拙者がツラい思いをしている間にそのようなことがあったとは・・・!
 即刻リリス殿を厳罰に処すべきでござろう!?」
「おっ?それはありがたいな。
 新しく開発した装備のいい実験データが取れそうだ♪」
「何喜んでるんですか!
 あなたはリリス様の抜け駆けさせてもいいとおっしゃるのですかッ!?」

ベンケイの発案に悪乗りする開発部の副部長を、鈴が怒声を上げてたしなめる。

「アハハッ♪まあ、いいんじゃない?
 啓ちゃんが決めたんでしょ?
 だったらボクらが口出しすべきじゃないじゃん♪」
「そうだな。パラサイトの言うとおりだ。
 ご主人様のお決めになられたことなら、我々が口を挟む余地はない」

特務部部長と医療部部長は鈴たちに反対意見を述べる。
すると他の幹部怪人たちから、次々と不満の声が上がった。

「だからと言ってこれを許しておけるか!!
 これは明らかに抜け駆け行為なんだぞ!?
 忘れたか?!我々は下の怪人たちの手本となるために常に清廉潔白を旨としなければならないと誓ったことを!」
「そうです!
 そうしなければみんなが啓太さまの寵愛を求め、暴走してしまうかありませんか!」

ナイトメアと営業部副部長が必死になって再考を促す。

「でもよぉ〜。やり方はともかく、リリスはそれを覚悟の上で旦那に交渉を持ちかけたんだろ?
 自分が何もしなかったことを棚に上げて、その言い草ってのもどうかと思うぜ?」

施設調査部の部長の言葉に、リリス厳罰派の怪人たちは一瞬言葉に詰まる。
だが次の瞬間には、そんなことは関係ないなどと言わんばかりの勢いで反論する。
グダグダになってきた会議場。
それを静めたのは他でもない、この人の一言であった。

「・・・黙れ。これ以上騒ぐとイブたち管理部に黙らせるぞ?」

・・・ピタッ、

夢の鶴の一言で親衛隊室は一瞬にして静まり返る。
管理部。それはイブが部長を務める、忠誠心の高さゆえに何かと暴走しがちな怪人たちを抑えるために設立された、夜伽管理部とも言うべき部署である。
構成される怪人たちは強さもさることながら、啓太を神のごとく敬愛する狂信者のようなのような連中ばかり。

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