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世界の中心で平和を叫ぶ。
官能リレー小説 - SF

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世界の中心で平和を叫ぶ。 146


「お・・・おい、夢!誰だよ、あのものごッついオッサンは!?
 ここには女怪人しかいなかったんじゃないの!?」
「・・・啓太さま、もしかして覚えてらっしゃらないのですか?
 『彼女』は怪力怪人『ベンケイ・ウォール』。
 この組織の警備部の部長を務める怪人です。
 以前DNA登録をしたときにいましたよ?」
「あんな怖い連中に襲われたときのことなんて思い出させるなッ!?」

そう言って啓太は夢の頭に必殺のハリセンを叩き込んだ。
まあ、無理もあるまい。
勘違いとは言え、危うく男色に目覚めさせられそうになったのだ。
本人にしてみればトラウマものの、1番記憶に残しておきたくない代物だろう。
しかしあんな壁としか思えないような巨大な怪人が女だとは・・・。
啓太のことを考える夢にしてはずいぶんと思い切ったことをしたものだ。
それほど優秀な人材なのであろうが・・・。
啓太と夢の会話など知る由もない幹部怪人たちは、相変わらず楽しそうに会話を続けている。

「それはそうと、『ミラージュ』は一緒じゃないのか?
 アイツ、オマエを野放しにすると危ないからって、いっつもオマエにべったりだったのに」
「う。あー、いや、その、でござるな」

ビーストの問いに、ベンケイの言葉は途端に歯切れが悪くなる。
その様子にビーストだけでなく、他の怪人たちも徐々に顔色を変えていく。

「・・・オマエ、まさか・・・。ミラージュを置いてきたんじゃないだろうな?」
「あ、あはは・・・。その通りでござる」
『!?』

その言葉にビーストだけでなく、作戦部室にいた全ての怪人が驚いてベンケイを見る。
訓練中の怪人たちは訓練をやめてあわてて飛び起き、イブ以外の幹部怪人たちに至っては今にも襲いかからんばかりの様子で身構えた。

「ばっ・・・バカ野郎!そんな大切なことは最初に言え!」
「ひ、ひどいではござらんか!?
 ミラージュがいないだけでそこまで警戒しなくても・・・」
「ち、近寄らないでください、ベンケイさん!
 あなた、何でその姿になったのか忘れたんですか!?」
「・・・自業自得」

突然態度を豹変させてベンケイから離れようとする彼女たちに、啓太は訳がわからないといわんばかりの様子で成り行きを見守る。
ちなみに彼の周囲には夢と訓練中の怪人たちによって鉄壁の防御陣を敷いている。

「ゆ、夢?一体どうしたんだ?
 何で急にみんなアイツへの態度を変えたんだ?」

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